29 10月, 2011

中坊壮介会場デザイン「DESIGNTIDE TOKYO 2011」レポート

秋のデザインウィーク到来。10月29日より始まる「DESIGNTIDE TOKYO 2011」、メイン会場である東京ミッドタウンホールでのプレスビューに行ってきました。


今年はいつもより長めの6日間の開催。

会場デザインはプロダクトデザイナー中坊壮介さん (Sosuke Nakabo)。

うっすら透ける白い幕で会場が包まれており、陰影の差が少ない均一な光になっています。

天井からはダウンライトは使用せず間接照明と、幕の外側から照明が当てられています。

中坊壮介さん「今まで建築家の方が、インパクトのある特徴的な展示空間をデザインをされてきました。私はプロダクトデザイナーの視点から、展示作品がきれいに見えるよう、写真スタジオのようなイメージでデザインしました。淡い光の中にそれぞれの作品が浮き上がるように見てもらえるのではないでしょうか。」

日本とイギリス8人ずつを選出しスポットをあてた「Mark-ing」展

「Mark-ing」展。中坊さん曰く「ここはきっと動線が悪いとお感じになるかも知れませんが、次の空間への"溜め"と捉えて下さい」

Mark-ingに出展していたジャパンアーキテクツメンバー 二俣公一さん (Koichi Futatsumata/CASE-REAL) の "in the sky" (2010)。
Mark-ingではそれぞれのデザインのきっかけや、背景にあるものと一緒に展示されています。二俣さんの場合は「かつてのめり込んでいた空気のようなブリストルサウンドと、空気のようなモビール作品。」

ジャパンアーキテクツメンバー エマニュエル・ムホーさん (emmanuelle moureaux architecture + design) のコンセプト作品 "toge"。
「鋭いトゲは攻撃性をあらわにする反面、自らの弱さの表れ。相反する感覚に包まれたウェディングドレス。痛そうなのになぜか柔らかく見える不思議な作品です。」

成瀬友梨さん (Yuri Naruse/成瀬・猪熊建築設計事務所) の "one for all" は薄くスライスさせたメープル材を1枚ずつ成形し、25枚積層して作られた技術的にチャレンジした作品。
「皿は1枚1枚ではテーブルの上を飾る小物ですが、大きくなると空間をも彩りはじめるものになると思います。」

DESIGN SOILの "Souvenir" は、全てお土産として機内に手荷物で持ち込める大きさに分解できる作品。

brilは3人のデザインユニット。黒い作品は鉛筆の芯と同じ素材で作られた "絵を描く器"。

アンフラマンスの基礎化粧品 "tilde_" (チルダ)。クリエイティブ・ディレクションはPANTALOON。テーブルがロウで出来ており商品と同じ香が。

高橋良爾さん、田中章愛さんのデザイナーとエンジニアのユニットVitro。線香花火のようにゆっくり落ちる光のしずく。しずくが膨らむと周囲を照らす明かりが変化していきます。

un-do designのハンガーで組み上げられたコートハンガー "HANGER tree" 。

毎年盛況のタイドマーケット。いい商品はすぐに売り切れになってしまいます。




会場の外には直島・豊島・犬島を紹介する特設ブースが。アートの島、直島20周年を迎え様々なイベントが目白押し。建築ツアーなどもあるそうです。

【DESIGNTIDE TOKYO 2011】
会期:2011.10.29〜11.3
メイン会場:東京ミッドタウンホール
他:東京ミッドタウン内各所、都内各地





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26 10月, 2011

WEST 3rd New Products Exhibition

建築金物の株式会社ウェスト が「Agaho」「gg」に続く3番目のオリジナル建築金物ブランド「WEST 3rd(ウエストサード)」を発表しました。

10月29日から始まるデザインタイドトーキョーでは、東京ショールームを会場として、新製品が展示されますので、その一部をご紹介します。



West 3rd ラインナップの一部。 (大阪ショールームにて)

建築家の視点でデザインされた「zero」とプロダクトデザイナーの視点からデザインされた「warm」の2つのシリーズを展開。

zeroシリーズは、suppose design office の建築家、谷尻 誠さん、 「warm」シリーズは、JIN KURAMOTO STUDIO のプロダクトデザイナー、倉本仁さんがデザインを手がけられました。


写真右:zero シリーズ / 写真左:warmシリーズ





[ zero ]
谷尻 誠さんは建築家として、空間の中でモノをどのように存在させるかをテーマに、シンプルのあり方を追求されました。そして、建築空間にそっと溶けていくような、存在していながら存在感が無いようなプロダクトを提案。引き算をした結果、そこから引くものが何もないとしたら、それは「シンプル」というよりも「ゼロ」という思想に近いのではと考えられたそうです。





[ warm ]
プロダクトデザイナーの倉本仁さんがデザインされた「warm」シリーズは、建築家の谷尻さんとは対照的に「空間における、モノとしての強度」をテーマとしています。やさしい” ”あたたかい” ”心地よいというような感覚を形にしたプロダクトを目指し、造形と機能を追求したデザインになりました。
warm」シリーズは、建築と寄り添う、空間と寄り添う、そして人と寄り添うそんな個性と調和の有り様をデザインの源としています。

その他、ショールームではタオルバーやトイレットペーパーホルダー、家具ツマミやドアノブなど様々な製品が展示され、実際にその触り心地を確かめることができます。




大阪ショールーム展示風景。(東京ショールームでは展示内容が異なります)

2011/10/29~11/3、東京ミッドタウンで開催されるDESIGNTIDE TOKYO 2011では、ウエストは東京ショールームを会場として、TIDE Extensionに参加します。

期間中のショールームでは、「WEST 3rd New Products Exhibition」と題してWEST 3rdのフルラインナップを展示しています。11/1に開催されるカクテルパーティーでは、zeroのデザイナー 谷尻誠さんと、warmのデザイナー 倉本仁さんも会場にいらっしゃいます。ご興味のある方はぜひ足をお運びください。

詳細はこちらまで。



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18 10月, 2011

中村竜治会場デザイン「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」

東京オペラシティ アートギャラリーで10月18日より開催される展覧会「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」- Feel and Think A New Era of Tokyo Fashion Exhibition Guide プレスビューに行ってきました。会場デザインは中村竜治 (Ryuji Nakamura)。


展覧会の趣旨は「新しい時代の10組のデザイナーの仕事を通じて、現在進行形の日本のファッションデザインの可能性を探る」というもの。
出展デザイナーはアンリアレイジ/ANREALAGE(森永邦彦)、h. NAOTO(廣岡直人)、ケイスケカンダ/keisuke kanda(神田恵介)、まとふ/matohu(堀畑裕之・関口真希子)、ミナ ペルホネン/minä perhonen、ミントデザインズ/mintdesigns(勝井北斗・八木奈央)、サスクワァッチファブリックス/SASQUATCHfabrix.(Wonder Worker Guerrilla Band/横山大介・荒木克記)、ソマルタ/SOMARTA(廣川玉枝)、シアタープロダクツ/THEATRE PRODUCTS(武内 昭・中西妙佳・金森 香)、リトゥンアフターワーズ/writtenafterwards(山縣良和)。

展示空間を仕切るのは壁ではなく、ちょうど目線の高さに位置する真っ白な鉄の梁。

梁をくぐることで偶然次の作品に出会うような演出になってる。

長さ12mの鉄の梁を人力で搬入するのはかなり大変だったそうだ。

特に決まった順路がないので自由に歩きながら見ることができる。



ミナ ペルホネン/minä perhonenの作品の一部(この穴が何かは会場でのお楽しみ!)

区画のいたるところでコミュニケーションが生まれていた。

中村竜治さん。「壁で仕切られた完結した空間ではなく、繋がっていながら分かれている構成にしました。服は身体的な感覚なので、くぐるということで生まれる視覚的な面白さも感じてもらえればと思います。」

【感じる服 考える服:東京ファッションの現在形】
Feel and Think: A New Era of Tokyo Fashion
期間:2011年10月18日[火]─ 12月25日[日]
会場:東京オペラシティ アートギャラリー 


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15 10月, 2011

dot architects展「transuse」レポート

東京のプリズミックギャラリーで開催中の「関西若手建築家展覧会シリーズ Meets 217」は、芦澤竜一さんと平沼孝啓さんが、地元大阪で開催してきた建築レクチュアシリーズ 217[ nie - ichi - nana ]の2010年度ゲスト若手建築家5組による連続の展覧会。
最終回の第5弾は家成俊勝さん、赤代武志さん主宰のドットアーキテクツ (dot architects)による展示です。


大きな模型が展示されています。これは奈良市にある障害者向けの福祉施設「たんぽぽの家」。
「尊厳のためのデザインリサーチプロジェクト」と題されたプロジェクトで、このような施設などで従事している人、ケアを受けている人、訪れる人にとって自分らしくポジティブに生活できるために尊厳が保たれるモノや仕組みなどのデザインについて調査し、社会に提案することを目指しているとのこと。
この施設では雰囲気や空間もオープン。反面自分だけの時間や空間を確保するのが難しいそうです。

模型は既存の建物はブランクになっており、敷地全体が表現されています。地面部分は黒板のようになっておりチョークで様々なメモが記されています。

模型を見ただけではどのようなリサーチをしているのか分からないので、周囲の展示物を見てみますと、いくつかのタスクを利用しながらリサーチしたことが分かります。
「ポストのついているドア」。このドアは施設のスタッフに使ってもらい、普段オープンなワークスペースにドアがあったらどのような真理になるかを調査。


スタッフの感想メモ。

「クイックルワイパー」。これで掃除をしてもらいながら普段感じることや、エピソードをビデオ撮影しながらレポート。

その模様はモニターで見ることができます。

「メル友になりましょう」。 スタッフが休憩しているときに家成さん宛に「いつ、どこでどんな風に」休憩を取っているかをメールをしてもらいます。


「たんぽぽ学習帳」。スタッフに配られ、その日の敷地内での動線と行動を記録。

などを見てから模型にもう一度目をやりますと

人やモノの動きや、どこで休憩を取っているか、どんなところが好まれているのか、などがメモしてあるのが分かります。


有効に使われていないスペースもあるようです。
展示ではリサーチ方法や結果がより詳しくレポートされていますので会場へどうぞ。

【Meets 217-Vol.5 dot architects展「transuse」】
2011年10月4 - 11月4日

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