28 1月, 2012

黒崎敏/APOLLOによる住宅「Le49」

黒崎敏/APOLLO一級建築士事務所 (Satoshi Kurosaki / Apollo Architects & Associates) による住宅「Le49」(ル・シック) を内覧してきました。


敷地面積112m2、延床面積183m2。鉄骨造 (一部RC+木造) の2階建て。


鎌倉山の崖地に建つ、30代夫婦のための住宅。




外観からはV字の庭から顔をのぞかせているシマトネリコが見えるのみ。一直線に長く伸びたアプローチを下りて行くと、、、


見晴台のような玄関ポーチ。

相模湾に開けたこの眺望が待っていた。

エントランス。


玄関ホール。右側は水回りと寝室。左側は客間と奥さまのアトリエ。


浴室と寝室はガラスで隔てられ、同じ開口から借景の木々を眺めることができる。


寝室から。床はローズウッド材。


廊下と客間+アトリエもガラスで仕切られ、中では可動式のパーティションで仕切られる。


左は外から見えた三角の中庭。


玄関ホールを振り返る。


2階へ。


2Fはワンルームの大空間。変形の五角形をしたこの空間には柱がなく、水平線まで一直線に続くような広がり。


主要構造の鉄骨と、意匠として現しにした垂木は松材。
隣家に手入れの行き届いた庭。Le49の山側をぐるりと囲んでいるため開口からは見事な借景が望められる。


海側は全面の大開口。


そしてソファーに座ると両サイドが抜けて海と山両方が体感できるようになっている。


約150kgのガラス戸と網戸のサッシュが5枚ずつ計10枚の引き戸は海に近いことからステンレスにした。ステンレスとはいえヘアライン仕上げだと海辺では錆が出るためバフ仕上げにした。しかし全てバフ仕上げでは強すぎるので室内側はヘアライン仕上げに。






元々都心の高層マンションに住む施主が別荘にする目的で始まった計画でした。しかし完成に近づく家を見るうちに、「週末だけの別荘ではもったいないので住居に」と心変わりし、ここから都心に通うことに決めたとか。外国からのゲストをもてなす空間にもなるため、日本らしい繊細さや静けさ等の要素を大切に設計したそうです。


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24 1月, 2012

「ユニセフ祈りのツリープロジェクト展」

東京ミッドタウン・デザインハブにて開催中の「ユニセフ祈りのツリープロジェクト展」。
"震災から半年以上たったクリスマスに、もう一度被災地の子どもたちのことを思うきっかけを作りたい。会社や大学の壁を超え、デザインの力を集め、被災地の子どもたちに笑顔を届けたい"
そんな思いで企画されたプロジェクト。

デザイナー、アーティスト、美大生などが働きかけ、東京、仙台、気仙沼でのツリーの展示。被災地の幼稚園や保育園にも届けられました。

ベースになる白いボール紙でできたオーナメントが多くの方々によってデコレートされました。


それら各地でクリスマスツリーに飾られたオーナメントがミッドタウンに集結して展示されています。その数1200個!圧巻です。

【ユニセフ祈りのツリープロジェクト展】
会期:2012年1月13日〜2月5日
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ(ミッドタウンタワー5F)
特設サイト:inoritree.com

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19 1月, 2012

八島正年・八島夕子著 「彩りの家」

くうねるところにすむところ:家を伝える本シリーズ(平凡社)より、八島正年と八島夕子 (Yashima Architects + Associates) による著書「彩りの家」が出版されました。

家を伝える本シリーズ(旧・こどもたちに伝えたい家の本シリーズ)は本作で28作目。これまで、伊藤豊雄氏、妹島和世氏、隈研吾氏、青木淳氏、みかんぐみ、など数々の建築家による、大人から子供まで楽しめる絵本という形で出版されてきました。一時休刊されていましたが、4年振りに復刊されることとなり、本作はその第三弾となります。






「建築家である私たち二人もいつも、日々の暮らしをより楽しくさせる、家のなかでのちょっとした工夫やきっかけづくりを考えています。
その家自体が家族の生活をもっと楽しくするように考えられているかということの大切さを、水彩で描くおばあちゃんの家を通して、みなさんに伝えたいと思いました。」
(あとがきより)

この本を作っていく過程について、「家を設計するときとほとんど同じことをしていたんですよ」とお話しする八島正年さんと夕子さん。お二人の家づくりに対する想いも垣間見ることができる一冊となっています。


くうねるところにすむところ:家を伝えるシリーズ(平凡社)
「彩りの家」八島正年・八島夕子著 詳しくはこちらをご覧ください。



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15 1月, 2012

「長谷川豪展 スタディとリアル」レポート

1月14日よりTOTOギャラリー・間にて開催の「長谷川豪展 スタディとリアル」プレス内覧会に行ってきました。

ギャラ間139回目の展覧会で、長谷川さんは個展としては最年少出展者。

3階展示室。大きな真っ白の展示台に模型が二つと印刷物、さらに椅子がちょこんと置いてあります。しばし展示の意図を考えながら...

椅子に座ると展示台に小さく「桜台の住宅」の文字とその平面図。つまりこの展示台は「桜台の住宅」の中央に設置されたテーブルの実物大でした。

2012年4月に完成予定の「日本デザインセンター」のインフィル設計。

「五反田の住宅」の部分模型。

「石巻の鐘楼」。通常建築の展覧会では模型、図面、写真、部分など展示用ものになりますが、これは"実物"。展示作品でありながら最新作、展覧会後解体され実際に寄贈移築されます。

移築されるのは「石巻栄光幼稚園」(左) 。鐘楼の鐘はドイツのメレ市庁舎 (右) で80年間使われ、オランダのベルメーカーで保管されていたものを現地で見つけ日本に空輸したそうです。

ギャラ間、石巻の幼稚園という全く異なる二つの敷地に建てられることを想定しながらの設計。

TOTOビル隣にあった健保会館ビルが解体された為、ギャラ間の中庭が露出しこんな感じで見えています。

鐘楼からは六本木交差点まで見通せる。 この外苑東通りと鐘楼の一辺は角度が同じに建てられています。

4階展示室にも大きな展示台が。今度は何の実物大でしょうか...

それはこちら「狛江の住宅」。模型右の低くなっている側、この屋根兼庭部分の実物大でした。

もう一つ、 「経堂の住宅」屋根断面図の実物大。

「経堂の住宅」は屋根が非常に薄く設計されている。その屋根の薄さを実感できるよう実物大の断面図が展示台に記されています。

「練馬のアパートメント」。集合住宅でありながら各部屋に "中庭" を備えています。

デビュー作「森のなかの住宅」。

独特な小屋裏の様子。

「浅草の町家」(中央の塊左下)。

「森のピロティ」 。スタディ模型と並んでおり、最終型は一番奥。会場でいうと窓側です。

「駒沢の住宅」は軸組模型で展示。

健保会館がないため夕日が差し込み模型の森に長いが影が。

同日ミッドタウンで行われたプレスカンファレンス。展覧会のテーマである「スタディとリアル」について説明する長谷川さん。

模型は非常に多く作り "スタディ" を繰り返すそうです。写真は「練馬のアパートメント」の模型群。前出の「狛江の住宅」では500もの模型を検討。 「模型を作り続けると模型が話しはじめる。思考を外部化できるのです。」と長谷川さん。

ギャラ間企画委員の原研哉さんと鐘を突くと、とても爽やかな音が乃木坂の街に響き渡りました。
因みに会期中は近隣に配慮し自由に鐘を突くことはできません。12時、15時、17時と一日に3回突くそうですので、その時間に合わせての来場がオススメです。


長谷川豪さん。「リアルな展覧会はどうすればできるかと考え実物大や実物を展示しました。また展覧会の話を受けた後3月11日の震災がありました。建築家として何が出来るかを熟慮し、この展覧会とうまく絡めた作品 (鐘楼) を作ることが出来ました。」

【長谷川豪展 スタディとリアル】
会期:2012年1月14日 〜 3月24日
会場:TOTOギャラリー・間

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