26 4月, 2013

森清敏 + 川村奈津子 / MDSによる「白金の家」

森清敏 + 川村奈津子 / MDS (Kiyotoshi Mori + Natsuko Kawamura / MDSによる港区の住宅「白金の家」を見学してきました。

 敷地面積64m2、建築面積38m2、延床面積102m2。RC造地下1階、地上2階建て。

 ファサードが斜めにせり出しているのは駐車スペースを取りながら内部空間を確保するためだが、形の異なる四角形三面で特徴的な顔になっている。
窓を設けなかったのは、向かいが駐車場で将来どのような建物が建つか予測が付かないため。

 玄関アプローチはボリュームのある階段。踏面は研ぎ出し仕上げ。 

 玄関。

 玄関から廊下、DKまで同じタイルで張り揃えてある。

 振り返ると壁の傾斜がよくが分かる。約1mほどせり出しているそうだ。 

 1階DK。プライバシーに配慮したことから閉ざし気味の外観だが、上部に2箇所バルコニーを設けハイサイドからこの吹き抜け空間に十分な光と通気をもたらす。



 キッチンからは竹の植栽が見える。自身の裏庭に植えたものかと思ったら借景だった。

 DKの横から水回りへ。

 外壁の傾斜に通じる意匠がここにも。 


 地下へ。 地下には納戸、子供室、主寝室の3部屋。

主寝室。クローゼットは階段下も目一杯利用した無駄のない設計。床はアッシュ材。

2階へ。右からバルコニー、リビング、書斎が吹き抜けを囲んでL字型に配されている。



 2階リビング。ソファーはIDEEで製作したものを造り付けた。床はウォールナット材。

1階に立つと目線は上下方向にいくが、2階では水平方向に。

 テレビは後ほど正面の壁に取り付けられる。その後ろの書斎スペースを取るために外壁がせり出している。上には採光用のバルコニーが設けられている。

 全く景色が見えないのも味気ない。借景が望めかつ周囲からの視線がない位置に絶妙に窓を開けた。内部では様々に表情を変える壁面の構成を楽しめる。

 照明計画は戸恒浩人/シリウスライティングオフィスによる。他の写真をご覧になってもあまり照明の姿が見えないと思うが、夕景の竣工写真が楽しみだ。

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23 4月, 2013

H2Oデザインによるリノベーション住宅「K邸」

畑中弘 + 桂野谷寿子 + 丸山慶子 / H2Oデザインアソシエイツによるリノベーション住宅「K邸」のオープンハウスに行ってきました。場所は原宿の喧噪から少し離れたところ。
元々レーモンド設計による4階建ての建物を購入し、1・2階の店舗はそのまま。3・4階の住宅部分をリノベーションしてから住むことになった。

 3階部分は200m2。玄関にはラブラドリーテアンティークという御影石が張られている。光が当たると青い結晶がきらきらと美しい。


 リビングへの特注扉にはデザインガラスがはめ込まれている。

 ヨーロッパの電話ボックスのようにも見える。

 47m2あるLDK。改修前はこの南側に寝室が配置され、リビングやキッチンが北側にあったのを南北逆にレイアウトした。それに伴い配管も大規模に改修。
床はウエンジ材

 暖炉、80インチ液晶テレビ、吊り下げ椅子、無垢板のダイニングテーブルが存在感を出している。
グラフィックの仕事をされている施主が、仕事のために試しに買った色々なLEDライトが天井に付いているのがユニークだ。
また天井をよく見ると、吊り椅子の位置を変えたりハンモックが吊り下げられるよう、いくつも雌ネジが埋め込まれている。



 今回取り付けた暖炉。以前のレイアウトではここに浴室があったのでその窓を利用し煙突が取り付けてある。


 キッチンには料理の色がよく見えるようにと、施主指定の照明が使われている。

 玄関ホールから右には扉が並ぶ。右手前から納戸、トイレ、水回り。左手前から子供室、書斎、主寝室。正面奥は収納。 


 浴室用としてはかなり大きな液晶テレビが。表はガラスで防水されており、壁の裏側からはめ込まれている。

 主寝室。右の窓に上下に開閉できるニチベイのハニカムスクリーンが見える。なるほど隣家からの視線を遮りながら、上は開いているので空が見える。

 主寝室奥から。右の扉は奥さまの書斎で、アンティークの扉が取り付けられている。

 奥さまの書斎。ヨーロッパの重厚なスタイルで静かに過ごせそうだ。

「初め、リビングは半分の大きさで個室を大きく提案すると施主は『もっとリビングを広くしたい』と。お子さんはもう大きいのでそれぞれが思い思いのことをしながらも、家族皆リビングで過ごせるようにと希望されました。」と畑中さん、桂野さん。

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18 4月, 2013

黒崎敏/APOLLOによる住宅「LATTICE」

黒崎敏/APOLLO一級建築士事務所 (Satoshi Kurosaki / Apollo Architects & Associatesによる台東区の住宅「LATTICE」を見学してきました。台東区入谷の下町で昔ながらの街並みが残るところ。

 敷地面積45m2、建築面積34m2、延床面積101m2。RC造3階建て。敷地の間口は4mだ。

 ファサードは高さ7.3m、全面黒に塗装されたベイマツ材のルーバーで覆われている。手前に2m程キャンティレバーで支持されたガレージの奥に玄関。

 玄関を入ると左一面に鏡。奥に個室。

 個室から振り返る。 建具や家具はローズウッド材、床はアッシュ材にブラックオイルを塗布したもの。

 ハロゲンのスポットライトを使い階段室を演出している。

 2階。階段を上がって右に水廻り、左(写真奥)にウォークインクローゼットと主寝室。

 主寝室。ルーバーのピッチは狭めなのでブラインド越しに見ているようだ。


 ファサードのルーバーと同じピッチで仕上げた収納の引戸。

 洗面。浴室はシティホテルの雰囲気。

 3階。階段室を挟んでDKとリビング。

 奥行きのある敷地のため、階段室をセンターに設けペントハウスから光を落としている。

 リビング。シンプルな面と線の構成。

 ルーバーは夏場の西日を和らげ、外部からの視線を遮るためだ。 

 リビングを振り返ると階段室を介して光が注ぐ様子がよく分かる。

 ダイニング・キッチン。

 DKの上はロフトスペース。

 ロフトスペースはにじり口をくぐって和室になっている。

 ダークな畳を敷き、モノトーン空間を和室にも踏襲。 

 和室の壁や天井はポーターズペイントによる仕上げ。

ペントハウスと屋上。
「施主は単身の男性であることから徹底して大人の "格好いい" 空間を望まれたので、男っぽさが漂うシンプルでハードな住宅に仕上げました。」と黒崎さん。

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