23 4月, 2014

遠藤秀平、髙橋一平、ムトカ、石田建太朗による「happy talking」展 レポート

4月16日より渋谷ヒカリエ8階 Tomio Koyama Galleryにて開催の「happy talking」展のオープニングレセプションに行ってきました。参加建築家は遠藤秀平、髙橋一平、ムトカ、石田建太朗。
[Exhibition "happy talking” by Shuhei Endo, Ippei Takahashi, Mutoka, Kentaro Ishida]

Tomio Koyama Galleryの企画による展覧会。アートギャラリーだが、以前より建築の展覧会を開催したいと計画していたそうだ。

アートギャラーらしく真っ白な空間に建築の模型などが並ぶ。


遠藤秀平/遠藤秀平建築研究所からは7点の作品。

[Rooftecture H] 2010
様々な素材でできたイメージモデルが並ぶ。

 
[Arktecture M] 2012

 
石田建太朗/イシダアーキテクツスタジオ
[U house] 2014。数ヶ月後千葉県に竣工予定の住宅。



U houseの3Dプリンターによる模型。手前の複雑な梁の取り回しなどを現場で説明するのに、この模型が大活躍したとか。
(本展にて展示される3Dプリンターモデルはセイコーアイ・インフォテックによる協力)



[THIN GRID]
東京のアートギャラリーのためにデザインしたアルミテーブル部分模型。1.5mm厚のアルミ板で構成されている。


石田建太朗さんと[SOLID] 

髙橋一平/髙橋一平建築事務所からは [七ヶ浜町立遠山保育所] の大型模型。2013年宮城県に竣工した。


周辺環境を再現した3Dプリンター模型は、石膏射出で「絶妙に崩れかかった砂糖菓子のようだ。」と髙橋さん。


髙橋一平さん。


村山徹・加藤亜矢子/ムトカ建築事務所からはボリュームが似ている3点の住宅。


[赤い別邸] 2014。大阪に竣工予定
後ろの絵画はTomio Koyama Gallery所属のアーティストにこの住宅をイメージして描いてもらったもの。
主催がアートギャラリーということもあり模型と絵画は購入が可能だ。



[N邸] 2013。神奈川県川崎に竣工
こちらの絵画のみ非売。



[オイルハウス] 2014。神奈川県相模原に竣工予定。

極小の3Dプリンターモデルも購入可能。2〜3cmの大きさだが中に螺旋階段なども再現されている。

加藤亜矢子さんと、村山徹さん。

 【happy talking】
会期:2014年4月16日〜4月28日
場所:8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
詳細:www.hikarie8.com/artgallery/2014/03/happy-talking.shtml


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21 4月, 2014

谷尻誠によるモバイルアクセサリーショップ「HYPER MARKET」

谷尻誠/サポーズデザインオフィス (Makoto Tanijiri / Suppose Design Office)  が空間デザインを手掛けたモバイルアクセサリーを中心に集めたコンセプトショップ「HYPER MARKET(ハイパーマーケット)」が4月19日にオープンした。

 場所は渋谷区の明治通り神宮前交差点のすぐ近く。
外観は周りの色とりどりのネオンサインに負けないようネオンは取り入れつつも、白とシルバーのみで統一。



 約70坪の店内に、世界中から厳選されたスマートフォン、タブレットアクセサリーモバイルや周辺グッズが並んでいる。
店のコンセプトは「少し先の未来を想像させる新しいマーケット」。


 谷尻さんが提案したのは「誰もが知っているようで体感したことのない空間」。
石(タイル)やアーチなど馴染みのある様式を取り入れながらも、それらをあえてピカピカにすることで近未来を演出している。



 陳列台は、天板に建築現場で使われていた足場の板と、側面に鏡面のステンレスというコントラストが際立つ。
床は、糊付けされた既存のフローリングを剥がし、下地のモルタルにそのままクリア塗装を施しているため、残った接着剤の後により、ユニークなパターンが生まれている。


 左右の壁に取り付けられたストリートサインを辿れば、Music、Gadget & Toys、Sports & Healthなど目的のアイテムに辿り着くことができる。


 冷蔵庫デザインがポイントのSports & Healthエリア。


shibafulコーナーも。

 突き当たり右手にあるGadget&Toysエリアもお見逃し無く。


 照明は谷尻さんのオリジナルで、ソケットだけ使ってスチールパイプに取り付けたもの。


入口から続く白い庇の下で商品を眺める人達。近未来の街でウィンドーショッピングを楽しんでいるかのようだ。


【HYPER MARKET 】
東京都渋谷区神宮前6-5-6 1F
www.hyper-m.jp


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18 4月, 2014

ギャラリー・間「乾久美子+東京藝術大学 乾久美子研究室 展―小さな風景からの学び」レポート

4月18日から東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間で始まる「乾久美子+東京藝術大学 乾久美子研究室 展―小さな風景からの学び」の内覧会に行ってきました。
[Exhibition "little spaces Kumiko Inui + Tokyo University of the Arts Inui Lab" ]

 建築模型や、作品のスケッチや図面も、迫力ある1/1再現モデルなどが一切ないというギャラ間では異例の展覧会だ。


 内覧会に先立って行われたプレスカンファレンスでは、乾さんより冒頭「地味!」「スペクタクルじゃない!」といったユニークなプレゼンが行われた。
プレゼンによって今回の展覧会の意図が明確になった。


 そこで本展の見方を紹介。
会場に入るとひたすら写真が壁に並んでいる。その一枚一枚を見ると、何となく近くに似たような写真が並んでいることに気付く。 


 壁に貼られた写真はaからvまで22のグループ分けがされている。


 それぞれのグループの足元にはボードが置いていあり、グループがさらにいくつかのキーワードに分類されたユニットになっていることが分かる。


 例えば左の2枚の写真は、aグループ「並び方」の、1ユニット「一糸乱れぬ並び」。
右の2枚は、aグループ「並び方」の、2ユニット「取り囲む」。
と分類されている。


 中には有名な建築もあるが、建築やデザインがどうのということではなく、あくまでも現象として捉えてある。
例えばこちらSANNAの "金沢21世紀美術館” や、シーラカンスK&Hの "金沢海みらい図書館” のこのカットは、tグループ「みち」の、10ユニット「何かに沿ってのびる」に分類されている。


 グループ毎の詳しい説明は会場で頂けるフライヤーに詳しく書かれている。このフライヤーは会場の展開図になっているので、折るとギャラ間の壁面が出来上がる。


 さらに会場には、展覧会に合わせてTOTO出版より発刊された「小さな風景からの学び」が置いてあるので会場の写真と照らし合わせながら閲覧できる。もちろん購入可能。


 きっかけはこの一枚。震災後、乾さんが陸前高田の様子を見に行ったとき、仮設住宅の奥の藪を抜けた先に津波で流された市街地を見下ろせる場所があった。そこには2脚の学習椅子が置いてあり、かつての生活に思いをはせる小さくもとても大切な場所になっていた。痛切だが穏やかで包み込むような優しさに心を動かされたという。
「自分は建築家としてこんなに密度のある空間を作ることは出来るのだろうか」と思いはじめた。


 事務所では近年 “延岡駅周辺整備プロジェクト” を受け、そもそも「何をつくるのか」「なぜつくるのか」といった人が集まることに対する根源的な提案が問われることになってきた。
そうしてこうのような小さな読み人知らずの「いきられた場所」を日本中に探し求めるリサーチを開始した。


 藝大の大学院生と助手、事務所のスタッフ2名も加わり、少しのルールを設けながら撮った写真は18,000枚。訪れたのは45都府県。


 始めは和気あいあいと進む分類作業も...


 来る日も来る日も写真を眺めては分類を繰り返し、険悪な雰囲気になることも


 しかし途中から、特に言葉を介さなくても「いいよね」と意見が一致する瞬間が増えてきた。


 そうして分類された「魅力的」な写真は2,300枚に絞られ展示されている。
では「魅力的」なのはなぜか?
そこに「サービス」という概念を導入することで整理できたそうだ。


 自然から得られているものや、現象をあえて「サービス」として捉えると、魅力ある風景はサービスが良く、サービスの連鎖反応により「萌え」を感じることに繋がっているという。


 会場はシンプルな構成だが、写真の風景を再現している箇所がある。
分かりやすい4階会場のカーテンは...

 こちら。 


 他にも、


 これらも。10個ほどあるので写真の中から探して楽しむことが出来る。


 乾さんと、事務所スタッフ、藝大大学院生、助手の10名がプロジェクトに参加した。


乾久美子さん。「このリサーチを終え、具体的にどのように活用するかはまだ明確ではありません。今は途中経過の報告ということになります。」
「膨大な数の写真ですがとても味わい深いものになっています。4階も写真ばかりですが、実はaから最後のvに進むにつれ「いい風景=ほっとする」写真にどんどんなっていきます。それはより身近でありながら見落としがちな風景なのかも知れません。是非時間を掛けてじっくりご覧下さい。」

【乾久美子+東京藝術大学 乾久美子研究室 展―小さな風景からの学び】
会期:2014年4月18日〜6月21日
場所:TOTOギャラリー・間
詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex140418/index.htm



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