28 7月, 2014

前田圭介/UIDによる住宅「群峰の森/COSMIC」:後編

6月の前編に続き、前田圭介/UID (Keisuke Maeda / UID architects) による住宅「群峰の森/COSMIC」後編をお伝えします。

後編は右側の「アネックス棟」の紹介だ。


 アネックス棟は平屋で、玄関を入ると一直線に通路が延び、奥に向かって緩やかにステップを上がっていく。


 まずはキッチン。L字型にダイニングカウンターが配され、反対側は座敷になっている。


 回って見てみると、まるで割烹料理屋の雰囲気になっていた。


 カウンターのサイズなどは実物大模型を作って検討したそうだ。




 和室。前編で触れた枯山水の水に浮く和室。


 外から見ればより顕著で、境界の曖昧さを追求しているかのようだ。


 この空間に照明スイッチをどうするかは悩んだという。


 リビング。スキップしながら外部のランドスケープへ連続していく。
大きな住宅だが必要以上に広い部屋がない。「ヒューマンスケールを大事にした。」と前田さん。

 敷地の一番高い南端には月見台を設えた。


 浴室。


 掛け流しのシステムも前田さんが考えた。外部に面した木製建具を全開することで、露天風呂のような空間となり気持ちよさそうだ。


 個室。森の中で寝起きするような風情。 


 多くの部屋から眺められる庭には池を作った。3方から水が流れ込み、至るところでせせらぎが聞こえる。




 外部の階段よりテラスに上がってみる。


 室内とは違うダイナミックな景観が広がっていた。


 この門型フレームはダイナミックさを生みながら、夏の日差しを遮り、月明かりによって多彩な表情も生みだす雲のような存在だ。






前田圭介さん。「おじいさんの代から受け継いだ土地をさらに子どもたちの代に託せるようにした、"豪邸" とは違う現代の屋敷を計画しました。」「周囲に点在する緑と繋がるよう敷地は緩やかに仕切り、住み手と自然、さらに地域ともインタラクティブな関係性が生まれるように配慮しました。」
>> 前編


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24 7月, 2014

高橋堅による住宅「のりたまハウス」

高橋堅/高橋堅建築設計事務所 (Ken Takahashi Architects) による東京・杉並の住宅「のりたまハウス」のオープンハウスに行ってきました。

 敷地面積72m2、建築面積40m2、延床面積103m2。木造+一部S造、3階建て。
建物の外周は全て角Rが取ってあり、開口を巻き込むような格好になっている。

 玄関は外壁に包まれるような位置に。


 玄関を入り見上げると丸みのある三角形の吹き抜けにトップライトから光が落ちてきている。


 玄関から右を向くと寝室。左は下足などの収納で、裏にはスタジオと呼ぶ書斎がある。


 寝室。回り込んだ壁の先に開口があり、淡い光が入り込む。


 2階ダイニング。


 左の壁の前にダイニングテーブルが置かれる。 一見閉ざされた外観に見えたが実は四方に開口がある。


 壁の裏側はキッチン。


キッチンカウンターは引戸で開閉できる。 


 キッチンの奥にもスタジオ。ご夫婦それそれが家で仕事が出来るように二つある。


 3階。奥に寝室と、右にウォークインクローゼット。その間にはトイレ。


 WIC。暗くなりがちな部屋にもトップライトを。


 階段の壁の小口はアルミ板で仕上げてある。玄関の上、2階と3階に小さなデッキスペースを設けた。


 3階から吹き抜けを見下ろすと、2階の床とずれており上にいくに従って吹き抜けが広がる。これにより2階にもトップライトからの光を十分に届けることができる。左の大壁は北側からの風に耐えられるよう鉄骨が入っている。


「敷地はとても密集した住宅地です。プライバシーと光を確保するため開口を多くしながらも、近隣住宅の窓と正対しないように配置しました。トップライトからの光と窓から入る光がカーブを描く壁で混ざり合い、曖昧な遠近感を生みだし広がりを感じさせてくれています。」と高橋堅さん。


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21 7月, 2014

エマニュエル・ムホーによる「巣鴨信用金庫 中青木支店」

エマニュエル・ムホー (Emmanuelle Moureaux Architecture + Design) による巣鴨信用金庫 中青木支店を見学してきました。場所は埼玉県の西川口駅から車で5分程の青木中央交差点の角。

 敷地面積561m2、建築面積297m2、延床面積588m2。S造2階建て。
エマニュエルさんが手掛ける巣鴨信金は5店舗目で、建築設計全てを手掛けるのは4店舗目。
>>江古田支店>>志村支店>>常盤台支店


 毎回とにかく目を引くのがファサードだ。今回のテーマは「Rainbow Melody」、街に色を還元し地元の人や行き交う人を楽しくさせる。


 1辺1,500mmのキューブが奥行きと色を変えながら「虹のメロディー」を奏でている。


ファサードには1階から3階まで12の庭があり様々な木や草花が植わり、中にはオリーブやシマトネリコなどある程度大きくなる木も。

 
建物は敷地一杯ではなく、セットバックさせオープンデッキスペースとベンチまで設けてある。


 エントランスの直ぐにはATM。


 そしてカフェ、ではなく待合スペース。常に巣鴨信金から求められているテーマは「1秒でも長く居たくなる信用金庫」。


 外部に見えた庭は内部にも入ってきている。季節の花に植え替えられるのでいつ来ても楽しめる。


 銀行と言えば、カウンターと対峙し防犯カメラが沢山あり少なからず緊張感に包まれるため、用が済めば早く引き上げたくなるものだが、エマニュエルさんの手掛ける巣鴨信金は用もないのに休憩を取りに来る方もいるという。


 2階には融資カウンターや、オフィス、会議室、食堂など。職員20人程の一支店に食堂があるのも巣鴨信金の特徴で、ホスピタリティは客だけでなく、職員に対しても働きやすい環境として提供されている。



 2階からも庭越しに外が望める。ちなみに中青木支店は、通りの向こうに立つグレーのビルにテナントとして入居していたがこちらに新築移転した。


 「敷地は県道と市道が交差する角にあり、常に四方から車や人が行き来する状況を特徴として捉え、人々が動くことで見え方が刻々と変化するリズミカルなファサードに仕上げました。また晴れた日には木漏れ日が内部に優しく差し込む落ち着いた雰囲気にしました。」とエマニュエル・ムホーさん。



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