12 7月, 2012

「スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS」レポート

7月12日よりTOTOギャラリー・間で開催される「スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS / Studio Mumbai: Praxis」に行ってきました。

 インドを代表する建築家、ビジョイ・ジェイン (Bijoy Jain) 率いるスタジオ・ムンバイ (Studio Mumbai) による日本初の個展。
スタジオ・ムンバイは敷地の造成から設計、施工までを住み込みで働く職人達120人と一緒に行う独特のスタイル。


 今回の展示はスタジオ・ムンバイの中にギャラ間を実物大で再現し、3ヶ月かけ展示空間を作り上げその空間をそっくりそのままインドから空輸。展示物は壁面のベニヤも含め99%は現地から運んだとか。全てインドの物を見て欲しいというジェインさんのこだわり。

 会場に入るとその物量に圧倒されますが、それはスタジオ・ムンバイそのものであり、作品の紹介にとどまらず制作プロセス、検討途中の物、さらにインドの文化や生活、物、素材などインドそのものを見て・聞いて・触れる展示になっている。

 棚に置いてあるのは、正体はわからないが面白いもの、消えてしまった建物のタイル、モデル、プロセス、サンプルなどなど。


7点展示された主要作品の模型はブロンズ製。そのひとつ "Tara House" ターラ邸 / 2005。

"Palmyra House" パルミラ邸 / 2007。

 パルミラ邸

 ミニチュアのブロックを実際に積み上げて作られた模型も。

 屋外展示はWork in Progressのフラグメント。漆喰の壁、パルミラ邸のモックアップ、カラーコンクリートのサンプルなど。林立する柱はスタジオの屋外作業スペースを再現。↓


 上階の展示室も同様にインド物産展さながらの様相。ひとつひとつ見ていっても飽きることがない。


 インドの人々の様子も。数億人が水道のない生活をしている現実もある。

 ジェインさんがぜひ見て欲しいというドローイングは、職人からのアイディアで合板の上にマスキングテープを貼りその上に描いてある。インク代コストを抑えつつしっかりと使えるもの。職人達のこういったアイデアや、素材への意識、身体的感覚は独特なので、良いものはどんどん取り入れていくそうです。


"Leti 360 Resort" レティ360リゾート / 2007。
職人の道具も展示されている。

チャイナタワーというプロジェクト、

その模型は石、石膏、木、蝋、何か分からない物などあらゆる素材で無数に制作されいた。

"Copper House II" コッパーハウスII / 2011

 映像用の台も"自家製"。

 いたるところに展示されている赤いスケッチブックは、建築家と職人を結ぶコミュニケーション手段として全ての職人が持ち実際に使っているもの。手にとって閲覧可能。

 ビジョイ・ジェインさん。「断片的な様々な要素などを総合的に体感していただける空間になっています。この展示を通じて私たちのスタジオがどういうものなのかを実際に感じてもらえればと思います。順序もありませんので自由に椅子に腰を下ろしたり資料をじっくり読んだり公園の中を散歩しているようにご覧ください」

スタジオ・ムンバイ日本初の作品集「Studio Mumbai : Praxis」TOTO出版より発売。

【スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS】
日時:2012.7.12〜9.22
場所:TOTOギャラリー・間
詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex120712/index.htm



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