01 5月, 2015

藤原徹平による専門学校「AOI Medical Academy」の新校舎

藤原徹平/フジワラボ (Fujiwara Teppei Architects Labo) の設計による医療福祉系専門学校「AOI Medical Academy」の新築プロジェクト (A-School Project) の内覧会に行ってきました。JR高崎線 深谷駅から徒歩2分程の場所。

 敷地面積491m2、建築面積384m2、延床面積1,907m2。S造6階建て。
AOI Medical Academyの母体は地元の医療を支える病院の一つで、以前専門学校はその病院に隣接していたが、今回駅前に新築移転してきた。


 深谷駅からの眺め。深谷市長を務めたことのある理事長は「深谷を活性化してくれるランドマークのように。」と望んだ。
医療福祉系専門学校として成立させるには学生数の確保はもちろん、必要なカリキュラムのための設備が文科省などの基準が定められている。そこに建築基準法や消防法なども絡んでくると、なかなかまとまらずに困っていたところ藤原さんに声が掛かった。


 フジワラボでは徹底的にプログラムを検証し、不要な要素を圧縮・統合していった結果「室」と「上下の動線空間」それらを取り巻く「中間領域」という空間組成にたどり着いたという。
そして館内を1・2階が事務やパブリック、3・6階に教室、間の4・5階に実習室を挟むような構成にして学生が上下に動くようにした。


 内部階段やエレベーターもあるが、上下の移動を容易にするため外部の避難階段も設けた。特徴的な階段は、二つの敷地を合わせた計画地の奥側が旗竿敷地だったため竿の部分を利用した。


エントランス。 ファサードは高さ7mのガラス面をスチールサッシュが支え、そこに独立した構造の風除室が勘合している。


 風除室を抜けると正面にシンボリックな回り階段が現れる。


 1・2階は吹き抜け。教員・事務室はオープンにし、学生との風通しを良くした。


 オープンライブラリー。奥には講堂。


2階にもサロンのようなオープンライブラリー。
1階の動線部分に柱が出ないように2階の床は梁から吊られている。梁のH鋼は一番大きい物で650mmを使用。
各フロアの床は色が異なる。


 階段から隙間から見下ろすと、フロア毎に色分けがされているのが分かる。


 2階オープンライブラリー。国家試験に向けて学生はとにかく良く自習をするそうで、出来るだけたくさんの自習スペースを求められた。
机はこのスペースの床形状を模したデザインになっている。


 無垢の鉄サッシュによってフレームが細くなり開放的だ。


 3階教室。


 4階実習室。これらの教「室」と実習「室」を学生は常に行き来するが、


 廊下は移動のためだけの空間であることから、面積を取ることはできなかったので、これらを圧縮し、


 延床面積に算入されずに移動と寛ぎを両立する「中間領域」のバルコニーを設け、


 建ぺい率に算入されない屋外階段を「上下の動線空間」として積極的に利用してもらう、


 それにより外部を活発に活動する若者の姿が街に現れることになる。


 バルコニーから南の深谷駅方面を見る。眼下は都市計画道路で市役所に繋がる通りを整備している。そしてこの学校と通りを往来する学生(=若者)が起点となり街の活性化に繋がることが理想だ。


 ちなみに、深谷は渋沢栄一生誕の地として知られる。渋沢は深谷に煉瓦工場を創設し、東京駅建造のための煉瓦を供給した町でもあったことに因み、1996年に改築した深谷駅舎は東京駅をモデルにしたデザインになっている。しかし既に煉瓦産業はなく駅舎にはタイルが使われているそうだ。


 4階理学療法科実習室。


 そのバルコニーは東と南面のL字型に。


 冬季は北側から赤城颪(おろし)が強く、開口は北面には設けなかった。


 体育も必修のため屋上は運動場に。






藤原徹平さん。「専門学校というプログラムを成立させるぎりぎり最小限の "室" 内面積であると同時に、最大限の "中間領域" を獲得できるように設計しました。」
「最小限の "室" 内面積から必然的に生まれるプログラムの共有、単純すぎる構成を調停する新たな建築言語の必要性など、専門学校という施設をプログラムからうまくドライブさせ、生きた場の集合に変質させることを試みました。」


 (この建築の模型が見られます)


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