09 10月, 2009

前田紀貞による三軒茶屋の住宅「I remember you」


前田紀貞アトリエの「I remember you」をオープンハウス直前レポート。
10月11日のオープンハウス2日前と追い込みのとき。場所は三軒茶屋から5分ほど、世田谷通りから一本入った住宅密集地で南西側に高層マンションがあります。今回はこの悪条件でいかにプライバシーを確保しつつ採光を取るかというのがポイント。



四方を囲まれながらも外光を取り入れるためにはトップライトが有効だが、その光を最適に取り入れるために現場の年間を通した日照を数値化し建物の「形態」と「空間」をアルゴリズムにより決定していった新しい試みの建築。

1Fエントランスから主寝室(工事中)。アルゴリズムにより導かれた「形態」と「空間」を建築家のフィルターを掛け、現実的なかたちにする。1Fにはほとんど窓がないが、天井から計算された光が3カ所から差し込んでいるのが分かる。

お忙しい中作業の手を止めて説明をして下さった業者の・・・いえいえプロジェクトリーダーの白石さん(愛車はZ400FX)。左奥がエントランス。右奥が水回り。

中央のらせん階段を上がり2Fへ。四方を囲まれていながらこれだけの光が入ってくる。アルゴリズムにより導かれる形態には事前にルール(関数のようなもの)が加えられている。ルールは「建築家の作家性」となる要素で、この建築の随所に見られる、うねる帯のような柔らかい形態。これによりコンピューターの機械性と人間の感性が融合し、この場所・このプロジェクトだけの個性・光が創作される、とのこと。

うねる帯は3階建てに4層に重なり、帯のくびれから光が入り込むイメージ。写真の帯は2Fに見える2層目と3層目の境目。

明かり取りには目の細かいパンチングメタルを使用。よく見ると模様が見えるが、これは施主の「思い出の音声」をアルゴリズムにより形態化した模様をデザインに取り入れたもの。

左右の帯のうねりを表現しているのがパンチングメタル。

らせん階段からから3Fを見上げる。

3Fにはウサギ専用の部屋! 2Fからもガラスを越しにウサギを眺めることができる。

内壁は各階ごと異なる仕上げで様々な「白」を表現。1Fはアンティーク調の白、2階は半光沢の純白、3Fは珪藻土をコテ塗りした自然の白(写真ではまだ未塗装)。

3Fバルコニーから南を見る。2Fのバルコニーも同様にFRP防水。

3Fバルコニーから下を見る。


本当は完成した状態を11日に拝見したかったのですが、都合がつかず無理を言って今回特別に見せてくださいました。お忙しいところありがとうございました。

前田紀貞アトリエ 一級建築士事務所 オープンハウス
アルゴリズム建築「 I remember you」
10月11日(日)11:00〜17:00


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