15 1月, 2010

「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界

東京オペラシティアートギャラリーにて1月16日より開催されるセシル・バルモンドの個展内覧会に行ってきました。バルモンドさんは、エンジニアリングの枠を越えて、伊東豊雄、レム・コールハース、アルヴァロ・シザをはじめとする多くの建築家と協働してプロジェクトを手掛けている構造デザイナーです。


多くの関係者やプレスが集まりバルモンドさんの挨拶が始まりました。

「今回の展示のエレメントは二つあり、一つは自然の中に見られるエレメント、もう一つは私自身のエレメントです。展示のテーマは自然の中にある隠れた秩序です。自然はもともと素晴らしくデザインされており、優れた仕組みを持っているものは良い形を持っていると考えます。」と話すバルモンドさん。

ギャラリー1。展示はまず"Banners" (バナー) から始まります。高さ5.2m、幅1.2mのバナーが200本吊り下げられ、自然界のイメージや抽象的なスケッチが描かれている迷路のような空間。

中央には円形の広場があり、偶然性、物質性、秩序がいかに共存しそれぞれが相互の内に存在するかをテキストで示しています。

部屋の奥でバナーはアクリルプレートに姿を替え、幾何学模様や数学的な成り立ちを図解しています。
"Reciprocal Grid" (レシプロカル・グリッド)。


ギャラリー2。バルモンドさんのエレメントの世界に入ります。
"H_edge" (ヘッジ)。立体的なヴォイド。

本来自立することなく構造として成り立たないチェーンやアルミプレートが、お互いを支え合うことで強靱な構造物に変化しています。

7,000枚のアルミプレートが延べ2,500mのチェーンを自立させています。多くのボランティアの協力が不可欠だったそうです。

ステンレスのチェーンはこのような治具に固定され強い力で引っ張り、1mmほど伸びたところでアルミプレートをはめ込み、4面の柱ができあがります。これを1ユニットにし組み上げていったそうです。(ギャラリー5にて展示)

"Prime Floor" (プライム・フロア) 。素数のリズムのジグザグはフラクタルの川を表現。

"Prime Wall" (プライム・ウォール)。

"Danzer" (ダンザー)。様々なスケールの四面体が組み合わさってつくられた、フラクタルな川の流れに転がるフラクタルな巨石。

巨石の裏側。
一番奥の壁面にはフラクタルな図形の映像が映し出されています。

バルモンドさん?

コリドールでは、セシル・バルモンド、Arup AGUによるプロジェクトの展示。

"H_edge"の中でポーズを取ってくださったバルモンドさん。「ギャラリー2は通り抜けながら感じて欲しい。まず洞窟、それから川、岩、最後に雨(映像のこと)。自然の中に見られるエレメントを私自身のエレメントで表現しました。」

「エレメント」構造デザイナー セシル・バルモンドの世界
会 期:2010年1月16日[土]〜 3月22日[月・祝]
会 場:東京オペラシティアートギャラリー

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