26 9月, 2011

「UIA2011 TOKYO」開会式、イベントレポート

24回目にして遂に日本に上陸した「UIA2011東京大会」UIA世界建築会議。日本での開催はひょっとすると一生に一度の機会かもしれません。天皇皇后両陛下がご臨席された開会式や、メイン会場の東京国際フォーラムと、丸の内周辺で開催されているイベントをいくつか盛り沢山でレポート。


メイン会場の東京国際フォーラム。大会のテーマは「DESIGN 2050」。2050年にあるべき未来像を描き出し、そこに向けて持続可能な建築環境や生活の質を「デザイン」していくための道筋を探る。というもの。

設計はアメリカの建築家ラファエル・ヴィニオリ (Rafael Vinoly)

厳重な警備。手荷物検査や、金属探知機を通っての入場。

開会を待つステージ。

両陛下のご登壇により開会式がはじまった。

最初に日本大会会長 小倉善明さん (日建設計顧問/Yoshiaki Ogura)。「震災の影響で大会開催を断念せざるを得ない状況を乗り越え、無事開催できました。初めて日本を訪れた方もいらっしゃると思います、近い将来復興した日本をまた訪れてください。」

UIA会長ルイーズ・コックスさん (Louise Cox)。「2050年我々はどこでどんな生活をしているでしょうか? 願わくば、歴史的な建造物に囲まれ、自然や文化が豊かで、人々にとってより良い世界になっていることを望みます。今回は東京をぜひ堪能してください、その後ほかの素晴らしい都市を訪れてみてください。大会中様々な会場に行きますので気軽に声をかけてください。」

東京都知事石原慎太郎さん (Shintaro Ishihara)「古来より建築はその時代の先端技術の粋を集め作られ、その時代を表してきました。皆さんもぜひ時代を作る建築を生み出してください。」

ご退場の際、槙文彦さん (Fumihiko Maki) に声を掛けられる陛下。

開会式が終わると皆思い思いの展示会場や講演・セッション会場へ。

Aホールロビーでの開催は【2050 Earth Catalogue展 パート1】

音響が一体となったSONYの照明。

屋外広場では【一万人の世界建築家展】

本当に1万あるかは数えなかったが、すごい長さ。

とは言え一通り見てjapan-architectsのメンバーを探してた。(見落としている方がいらしたらすみません!)


【すまい・建築・都市の環境展 ecobuild 2011】は地下展示ホール。

多くの企業や団体がエコ技術などを展示。

【建築大学展 建築を学べる大学を知ろう】は地下1階通路にて。

東京フォーラムを離れ丸の内へ。丸の内ではエリアを上げてUIA東京大会を盛り上げている。

丸ビル地下、行幸通りギャラリーでの開催は【docomomo Japan 150 未来への遺産展】 日本のモダンムーブメント建築150選の展示。



【東京チェアシティ展】は丸ビル1階のカフェeaseで。

伊東豊雄 (Toyo Ito) の「RIPPLES ベンチ」

店内には川上元美 (Motomi Kawakami)、深澤直人 (Naoto Fukasawa)、坂茂 (Shigeru Ban)らのデザインによる椅子16種類が展示され利用できます。

各テーブルにはデザイナーの情報マットが敷いてある。椅子は藤江和子 (Kazuko Fujie) による「シェルチェア」。

偶然、横河健さん (Ken Yokogawa) がご自身の椅子「cri cri」で一服中。

easeを出て向かいでは【アーキニアリングデザイン展 -模型で読み解く世界の建築】 多くの有名な建築がどのような構造になっているかを模型で見ることがでる

北山恒 (Koh Kitayama) の「洗足の連結住棟」や「祐天寺の連結住棟」 。この展示の面白いところは、一部実際に触ってみることができること。

手塚貴晴+手塚由比 (Tezuka Tkaharu+Yui) の幼稚園「Ring Around a Tree」

坂茂の「 ポンピドー・センター メス」(Shigeru Ban)

丹下健三の「東京カテドラル 聖マリア大聖堂」(Kenzo Tange)

その他古代の建築、日本古来の建築などの構造も紹介。

丸ビル1階、3階に膨大な数の模型が展示されている。

【東京2050//12の都市ヴィジョン展】は同じく丸ビルの7階、丸ビルホールにて。

皇居を中心とした千代田区の1/1000模型

東京の2050年、未来のヴィジョンを12の大学研究室チームが提案。


次に三菱一号館美術間へ。イギリスの建築家ジョサイア・コンドル (Josiah Conder) によって設計され、1894年建てられた三菱最初の洋風事務所建築。老朽化により1968年に解体されてしまったが、2010年、当時の設計図などを精査し、意匠や部材だけでなく、製造方法や建築技術まで忠実に再現され生まれ変わった。

ここで開催されているのは【丸の内をつくったタウンアーキテクト展】

明治時代にタイムスリップしたような空間。(ピンヒールによる穴の開いた床が痛々しい...)

展示は詳細なパネルで。

120年前の図面が丁寧に保存されている。

裏はこのような洋風庭園に!(注:ここは丸の内です)

東京ビルTOKIA 1階ガレリアでは【2050 Earth Catalogue展 パート2】

2050年を展望し、しなやかな社会を豊かに創りだす、英知とヒントが数多く展示。

「111 Navy Chair」。丸ビルのカフェeaseで客席として並んでいましたが、再生PETボトル111本分を使用し日本コカ・コーラが50脚提供している。


【RAIDING PROJECT -crossover architecture】は「BMW Group Studio」 丸の内ショールームにて。

原広司デザインのMINI Crossover (右) 用、持ち運び可能なツインタイプガレージ「Car & Camp」

RAIDING PROJECTとはオーストリアにあるライディング村に、小型で多機能な建築を創造するというプロジェクト。 9人の日本の建築家が選出され25m2、2階建て以下で完璧な住空間を装備していることが条件。

手前からSANAA、隈研吾 (Kengo Kuma)、山下保博 (Yasuhiro Yamashita)

手塚貴晴+由比 (Tezuka Tkaharu+Yui)、青木淳 (Jun Aoki)、大野秀敏 (Hidetoshi Ohno)。

手前右から藤森照信 (Terunobu Fujimori)、原広司 (Hiroshi Hara)、伊東豊雄 (Toyo Ito)。

山下保博の作品。樹脂に自然素材が鋳込まれてます。

これらの他にもまだまだイベントが各地でたくさん行われているので、引き続きレポートしますのでお楽しみに。

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