28 11月, 2011

浅利幸男による「赤坂の家」

浅利幸男/ラブアーキテクチャー (Yukio Asari/Love Architecture) による東京港区の「赤坂の家」オープンハウスに行ってきました。


敷地面積42m2、建築面積24m2、延床面積86m2。木造+一部RC造の地上3階、地下1階。家族3人で住まう住宅。
引き渡し直前で、外構や内装の工事をしている箇所があった。

ファサードはジョリパット仕上げ。歩行者用の細い路地に面している。

路地から1.5m程セットバックした建物の周囲にはスレートが敷かれ、そのまま屋内に連続している。

3種類のスレートを使いモザイクのような仕上げに。

8帖程もある広い玄関ホールに入るとオリエンタルリゾートの雰囲気。正面には浅利さんが選んだアジアンアンティークの下足入れが置かれるそうだ。階段踊り場の右側はトイレ、正面は洗面と浴室。

地下は子供室と主寝室。階段は白いモルタルをベージュ色にしたもの。


子供室は学習しやすいよう半地下にして明かりが採れるように。天井に見えるフタは階段下を利用した収納で引き出し階段が現れる。


2階へ上がる途中にある浴室を拝見。


浅利さんがアンティークショップで見つけたという鉄製の屏風を流用し階段のアクセントに。

踊り場から。

2階キッチン。この住宅のテーマは「コロニアル建築風」。ブラックチェリー材とクロームメッキの金具で特注のキッチン。



ダイニング。南側は3階まで吹き抜け、天井に届く2面大開口。 正面の南東側に路地が開けているのでそちら方向に空間の抜けを設定するなどして狭小感をなくす工夫をしている。


右に見える鉄骨は南西の角を支えるアングル。


3階へ上がる鉄製階段はリン酸処理した亜鉛メッキ仕上げ。

3階リビング。

西側にはスリットの目隠しが設置されているが、右側は隣家のバルコニーがあるため隙間が狭く、左側は抜けているので隙間が広く取られているのが分かる。

「いつも何か新しい挑戦をしていますが、この住宅ではアジアンウォールナット、アマゾンジャラー、タモ、ブラックチェリー、米松、杉など多くの種類の木材を使用し、仕上げの異なる金属も多用しました。その中で統一感を保ちながら重厚で、施主の望むコロニアル調を華美にならないようデザインを進めました。」と浅利幸男さん。


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25 11月, 2011

"いえつく" による住宅「いえつく5」

週末建築活動集団 "いえつく" による「いえつく5」のオープンハウスに行ってきました。場所は東京西荻窪の住宅地。
"いえつく" とは、建築やコミュニケーションの設計に関わる仕事をしている仲間で、週末自由に "建築活動" をする集団。知人や友人のための建築を仕事とは切り離して作り上げる活動で今回5作目。

敷地面積60m2、建築面積36m2、延床面積74m2、木造2階建て。今回施主はいえつくメンバーでもある角田 (つのだ) 大輔さん。

西荻とこの路地の密着した雰囲気がとても気に入った角田さん、メンバーで話し合いテーマを「通りに住まう--ご近所づきあいをデザインする」としました。

ご近所付き合いができるよう縁側を設置。手前の扉は奥さまが営むネイルサロンへのにじり口。玄関は奥を左に入ったところ。

玄関を入ると庭が中にも取り込まれている "招き入れる空間"。暑さや寒さの厳しいときにもご近所さんが集まれます。 右側は寝室とトイレ。

そこかしこにご近所付き合いできる工夫が凝らしてあります。

1階寝室。将来子供部屋に分けることも可能。左の扉は水回り。


床に並ぶのは絵馬。

建設中に現場を覆っていた養生シートのハトメにぶら下げておいたら、ご近所さんや通りすがりの人が自由に絵やメッセージを残してくれたそうです。(photo by いえつく)

ネイルサロンは2階にあります。

2階も半外のような雰囲気。奥の左がネイルサロン。

半外を演出しているのはオーストラリアの使用済み鉄道枕木。ユーカリ材なので有害な防腐処理がされておらず、屋内でも使用できるそうです。

ボランティアの設計とはいえ、光や熱、空気の流れ、枕木の強度も綿密にシミュレーションしたそうです。

ネイルサロン「Riceetto」。隠れ家という意味で、あえて1階の路面店にはせず "半プライベート・半オープン"に。静かに口コミで知られていくような店にしたいとか。

中からは借景で緑を望むことができます。床は味のある中古の木材を使用。

隣は居室のリビング。

ハシゴの上は収納に使うロフト。

リビング奥の階段からは屋上へ。



いえつくメンバーと、外構やコミュニケーションデザインを担当したPEA...。
後列右から水野義人、穂積雄平、三谷健太郎、多田直人。前列右から角田大輔、PEA...の二人川上恭輔、落合正行。※敬称略
いえつくや、今回のプロジェクトの詳細はコチラからご覧下さい。

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21 11月, 2011

オンデザインによる住宅「家と空き地」レポート

西田司+稲山貴則 (Osamu Nishida + Takanori Ineyama / オンデザインパートナーズ)による「家と空き地」内覧会に行ってきました。場所は神奈川県藤沢市の住宅地。


敷地面積140m2、建築面積63m2、延床面積110m2。木造3階建て。旗竿敷地に建つ30代夫婦のための住宅。

シンプルな外観に対して屋内はデコラティブな表情。

エントランスのアーチを抜けると正面に「音楽家の家」と呼ばれる主に奥様が使用する空間。

振り返るとご主人の「サーファーの家」。それぞれ音楽とサーフィンという異なる趣味を持つご夫婦。家の中にそれぞれの「家」が対面するように配されている。

模型を見るとよく分かる。"空き地"を二つの家が挟んでいるような格好。

まずは「音楽家の家」。こちらはシナ合板を用い焦げ茶で落ち着いた雰囲気に。1階にはキッチン、トイレ、収納スペース。

正面のドアは庭へ出られる勝手口。

収納の左手にある階段を上がって2階へ。

2階寝室。寝室は夫婦共用。右奥は机になっておりパソコンや読書ができるスペースに。

3階へは引き出し式のハシゴで上がる。

3階。左は奥さまが趣味のフルート演奏が出来る防音の音楽室。奥がクローゼットで、手前には客間。

3階から"空き地"と名付けられた余剰空間を見下ろす。もちろんここはリビングやダイニング機能を持たせる空間になる。

「音楽家の家」から見た「サーファーの家」。

「サーファーの家」。ラワン合板で明るい茶色。よりアクティブなライフスタイルを表している。1階部分には玄関、洗面所と浴室。


2階へは一度外へ出て、エントランス横の階段を使って上がる。

2階「サーフルーム」。週末サーフィンから戻ったご主人がそのまま2階に上がり、サーフボードを収納したり手入れをすることができる趣味のスペース。

3階のロフトへはこの工事現場用のハシゴを使う。

長さ1800mmがぴったり納まるので採用されたそうだが、木の素材感に対してアクセントにもなっている。

3階ロフト。眺めが良いので見学に来た方々が自然とここに集まってくる。

天井高は6.5m以上。夜は天井から吊るされたライトによって、また違った表情を見せてくれそうだ。

1/20のスタディ模型が実物とほとんど差異がないのが分かる。オンデザインの模型はとても精巧なのを以前コチラで紹介している。

代表の西田司さん (右) と、担当の稲山貴則さん (左)。「週末の過ごし方が全く違うご夫婦の空間を、いかに家の中に機能的な感じではなく整理するかを考えました。空き地をこれからどのように使ってもらえるかが楽しみです。」





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