02 5月, 2012

保坂猛による「屏風ヶ浦の家」(磯子の家)

保坂猛 建築都市設計事務所 (Takeshi Hosaka Architects) による横浜の「屏風ヶ浦の家」(磯子の家)を見学してきました。

一見、地上3階建てのシンプルな建物に見えますが...

窓を開けると不思議なコンクリートの物体が。

窓から見えるのは実は各階の天井。つまり一番下が地下の窓。そして1階、2階と続く。

敷地面積65m2、建築面積30m2、延床面積91m2。RC造、地上2階、地下1階。
地上3階建てに見えますが、隣家と比較すると2階建ての高さなのが分かります。

建物の両サイドは躯体に外断熱を施し、FRPでコーティング。表面に見えるラインは床の形状を意匠にしたもの。室内に入る前に裏庭に回ってみます。

外構は全て砂利敷きで、1m2程の砂場がぽつんと作られ愛らしい。建物は表側と同じデザイン。

それでは室内へ。

ウォールナット材の床がカーブを描きながら立ち上がり、床とも壁ともつかない曖昧な存在に。

大きなバスタブにいるような空間。

玄関方向を振り返る。キッチンと、収納やトイレが納まるボックス。ボックスを天井に接合させないのは室内の抜けと天井の一体感を保つため。



コンクリートで作り付けられた調味料棚。

保坂事務所初の螺旋階段は複雑なカーブを描く開口に挿入される。

いちばん尖った箇所は30度くらいのエッジに。

1階と地下。

地下1階。今回特徴的な床 (天井) を採用したのはこのような効果を狙ったものでした。

外観では3フロアに同じ大きさの窓、室内では同じ天井高、同じ環境、つまり上階同様の採光と通気、背景にある緑を眺めることができるために導かれたデザイン。


2階。上階に行くに従って床の傾斜は緩くなる。

水回りと、ボックスの右側にミニ書斎。手前は寝室スペース。

2階の天井もよく見ると外側がせり上がっているのが分かる。誰も見ることはないが屋根もせり上がっているそうです。

「施主はシンプルでコンパクトな住宅を望まれました。そこに床や天井の変化、どの階でも快適で同等の環境を享受できるように目指しました。」と保坂さん。

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