敷地面積357m2、建築面積185m2、延床面積610m2。RC造、地下1階、地上3階建て。13戸からなる。
敷地の南側には立派な緑地が。
この緑地は私有地ながら管理を市に委託し一般に公開されている。杉、桧、松などの常緑樹と、ムクやカエデなどの落葉樹が混在する雑木林で、きれいに整備されている。
住戸は全てこの緑地に面しており、緑地を眺めるためにあるようなアパートだ。
外壁の一部はジョリパットの吹きつけが施されているが、異なる色で二度吹きされて質感を出している。
エントランス。アパートの名前「BALCONE」はバルコニーの意。"緑地を眺めながら生活できる観覧席のような集合住宅"ということから付けたそうだ。
エントランス周りの壁は、浮造り(うづくり)仕上げした杉板を型枠に。
1階の住戸は、地階もあるメゾネット。床は全室クリ材。
施主でもあり施工者でもある中島建設は、高品質のコンクリートとその施工に取り組んでおり、この建物ではスランプ12cmという水分の少ない硬いコンクリートが使われている。(通常はスランプ18〜21cm)
スランプ値の少ないコンクリートを打設するにはきめ細かい配慮が必要だそうで、結果写真のように黒っぽくツヤのある石造りのように重厚な仕上がりになる。
木漏れ日がグレーチング越しに落ち、ゆらゆら揺れる水面の反射のようで美しい。
1階にはトップライトを備えるタイプの住戸もある。
2階の住戸は2スパン(8m)を使った横に広いタイプ。天井高は3mある。
引き戸で仕切れば奥は寝室になる。
2階から。緑地は幅50m、奥行き60mもあるため、その先の建物などはほとんど見えず木々だけを見ることができる。
3階の住戸は玄関を入ると5段上がるスキップフロア。左の階段下はトイレで、右側は洗面室と浴室。
玄関の上はロフト。右の部屋が寝室で、奥はウォークインクローゼット。
この部屋の家賃が一番高く約12万円。他も8〜9万円台が中心だそうだが、この作り込みでかなり安く感じる。
ロフトからも緑が望める。
右木部の上面に見えるガラスは浴室への明かり採り。
浴室からはこのように。
山縣洋さん。「郊外では家賃はあまり高く設定できない、そのためこれらの地域では出来るだけコストを下げた賃貸住宅が作られる傾向にあります。しかし幸運にも施主は高品位で付加価値のある賃貸住宅を望まれたので、この恵まれた立地で長期に渡って価値を維持できるような設計をすることができました。」
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