16 10月, 2012

山下保博/アトリエ・天工人による「モノクリニック」(世田谷邸)

山下保博+石井あずさ/アトリエ・天工人Yasuhiro Yamashita / Atelier Tekuto)による賃貸併用住宅「モノクリニック」(世田谷邸)のオープンハウスに行ってきました。

敷地面積86m2、建築面積43m2、延床面積80m2。RC造二階建て。正面は南向きだが大きくカットされた面(窓)は道路斜線により生まれた。

正面は道路側に、側面は中央の線から庭側に傾斜し、平面は敷地の奥に向かって広がる複雑な多面体になっているのがお分かりになるだろうか。施主は天工人の作品を見て始めから多面体の外観を望んだそうだ。

1階は "リビングガレージ" と呼ばれるスペース。玄関でもあり、車やバイクをいじったり、人が集ったりもできる。奥の左下に見えるのは暖炉。


玄関扉は窓の右側、奥に繋がる開口はご家族に住んでもらう部屋にも、賃貸にもできるようにしている。床に見えるのは車やバイクを整備できる地下ピット。天井に見えるのはウィンチを取り付けるレール。 

リビングガレージ裏の部屋へ。18m2ほどのワンルーム。水回りにも仕切りのない真のワンルームだ。

一応トイレやシャワーの上にはカーテンレールが備わる。

この部屋への出入りは、ガレージリビングの開口とは別に玄関扉がちゃんとある。もう一つ同じプランの部屋が2階にあり、外の階段から出入りする。そちらは始めから賃貸向け。


2階へ。

台形の大開口は内側から見るとかなりの迫力。 それもそのはず、2階の床面積より広い!

菱形の部分は鉄骨で支持されている。右下のコンクリート部にはペレットストーブが置かれる。

窓はサッシュが目立たないように一段掘り込んで取り付けられている、職人泣かせの仕上げだ。


振り返ると簡単なキッチンに収納もない。家族4人でどのように住むのか伺うと、ここは週末住宅とのこと。自宅は近くのマンションで週末ここで好きなことをして過ごせるようにするそうだ。
壁が斜めの切り返しから外側に倒れている。

キッチンの裏は水回り。上はロフト。

浴槽の後ろに見えるのは1階から続く暖炉の煙突。

ロフト。上部の白い部分はロフトの天井高規制をクリアするために造作された。


「施主は始めから特徴的な多面体を望まれていました。単に斜線規制のラインから面を作るのではなく、ユニークで尚かつ斜線を積極的に利用するような敷地に負けない造形になるようにスタディを繰り返しました。 」と山下保博さん。

========== japan-architects.com ===========
日本の建築家・インテリアデザイナー・ランドスケープアーキテクトと世界をリンク
ジャパンアーキテクツメンバーのプロフィール >>japan-architects.com

建築・デザインのイベント情報 >>What's happening
ジャパンアーキテクツへのお問い合せ >>事務局へメール