30 9月, 2013

「末光弘和+末光陽子/SUEP. 展」レポート

9月27日より南青山のプリズミックギャラリーで始まった「末光弘和+末光陽子/SUEP.展 - 自然循環系の一部としての建築」に行ってきました。
Hirokazu Suemitsu + Yoko Suemitsu / SUEP. Exhibition

 SUEP.(スープ)が手掛けてきた環境をテーマにした作品を通して、風・水・熱など、目に見えない自然環境を可視化しながら、自然循環系と建築の関係を表現し、環境の時代の新しい建築のあり方を示唆する。

 パネル展示。自然と建築をマクロからミクロへ視点をクローズアップしていくと、見えなかったものが見えてくる。

 環境シュミレーションによって可視化された表面温度や風の流れ等を、模型とパネルを使って展示。実作と計画中の6つのプロジェクトが紹介されている。


 '葉陰の段床'。超多孔質のセラミックパネルから水が蒸発する際の気化熱を利用。そこを流れる空気を可視化した。

 'Kokage'。地下水を吸い上げ木造の躯体を這わせ、冷房効果を得る。

 結露が発生すると躯体を痛めるので、水が冷たすぎるときは水流がストップするそうだ。

 'Kubomi'。地面を半地下状に掘り下げその下の地中に蓄熱する。

 '地中の棲処'。傾斜地という悪条件を利用し建物の半分程を地中に埋め、夏涼しく冬暖かい住宅。

 '二重屋根の家'。 二重屋根による遮蔽効果と日陰の様子をシミュレート。

 '嬉野市社会文化会館 ORIGAMI HALL'。プロポーザルコンペで最優秀を獲得し計画中。
ミウラ折りを空間に用い、ホールの音環境をシミュレート。


 水色のマークが音源からの直接音、ピンクが反射音。1秒以下の音の様子を可視化した様子。

 ホールの空間を様々なパターンで検討。模型は3Dプリンターで陶器素材を射出し制作。 

 '光壷の家'。現在東京世田谷で施工中の住宅。

 様々な光のつぼが組み合わさり後方に置かれた模型のように組み上がる。

末光弘和さん、陽子さん。「自然に対してディフェンシブになりすぎた建築ばかりでは、自然物である人間の存在を否定する息苦しい世界ではないでしょうか。自然とうまくバランスをとりながら建築を自然に開き、そうすることで人間らしい身体性や関係性を取り戻したいと思っています。」

【末光弘和+末光陽子/SUEP.展 - 自然循環系の一部としての建築】
日時:2013年9月27日~2013年11月4日
場所:プリズミックギャラリー
詳細:www.prismic.co.jp/gallery/works48/

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