25 10月, 2013

ギャラリー・間「ARCHITECTURE FOR DOGS - 犬のための建築展」レポート

10月25日よりTOTOギャラリー間ではじまる「ARCHITECTURE FOR DOGS - 犬のための建築展」の内覧会に行ってきました。
参加するのはアトリエ・ワン、伊東豊雄、M V R D V、隈研吾、コンスタンチン・グルチッチ、妹島和世、トラフ建築設計事務所、内藤廣、坂茂、藤本壮介、ライザー+ウメモト 、原デザイン研究所、原研哉。

 今回の企画について原研哉さんは、 「犬のための建築は動物の建築ではありません。地球に住むほとんど誰もが犬のことをよく知っている普遍的なプラットフォームです–」


 「 人間は人間の尺度で環境をつくってきました。人間の傍らにたたずむ犬たちを見ていると何か新たな建築の可能性を感じます。もしも犬の尺度で環境を仮想するとしたらそれはどんなものだろうかと。10年以上前から考えていたことですが、これをネット上に立ち上げてみることに興味がわきました。」


 展覧会は2012年末のマイアミ、今年6月のロングビーチを巡回しての3回目。 


 設計条件は「DIYできること」


 そのためここに展示されている作品は全てwebサイトで設計図がダウンロードでき、作り方のアニメーションも用意されている。実際に作った家の画像や自分で考えた家を投稿も出来るインタラクティブな展覧会だ。 http://architecturefordogs.com


 ライザー+ウメモト×チワワ


 妹島和世×ビションフリーゼ


 コンスタンチン・グルチッチ ×トイプードル


 藤本壮介×ボストンテリア
半自然の存在である犬が家の中にいる。犬の家も屋外のような屋内であるような、その家に人間が小物を置いたり、犬がお気に入りの物を置いたりインタラクティブな関係をもたせた。後に構想したサーペンタインギャラリーのパビリオンはこの家のコンセプトとは無縁ではないそうだ。


  原デザイン研究所(三澤遙)×ジャパニーズテリア
紙一枚だけを折り曲げ紐で吊す。大工道具は必要なく文房具だけで作れる。


 MVRDV×ビーグル
出来るだけクラシックな形の犬の家にした。それをカーブさせることで揺れ、犬からの視線、人からの視線が変化する。


 原研哉×ティーカッププードル 
いつも下から人を見上げる犬、階段を上がることで人の目線に近いところに寄ってこれる。犬と人のスケールを調整する装置。 


 トラフ建築設計事務所 ×ジャックラッセルテリア
飼い主の臭いが付いた服が大好きな犬。フレームに服を着せて犬と世界で一つの関係性が出来上がる。DIYを重視しパーツと工程を極力減らした。左のようにキット販売も始まり工具を使わずに簡単に組み上げることが出来る。


 坂茂×パピヨン


 伊東豊雄×柴犬
歩行が困難になった犬のため。


 内藤廣×スピッツ 
熱がこもりやすいスピッツ。アルミパイプで放熱性を良くした。


 アトリエ・ワン×ダックスフンド 
ダックスフンドは階段の上り下りでヘルニアになりやすいことからスロープにした。登ることで人の目線に近づけ、人も寝椅子のように使うことで犬に目線を下げられる。積み上げたり、横に並べたり展開できる。


 隈研吾×パグ
これを作るのは大変そうだ...


 4階展示室では本展にて初公開の原さんの作品 'D-TUNNEL' をコンセプトは同じで、様々に展開したものが並ぶ。


 素材を変えてみたり、人が使える機能を持たせたりと。



 犬と共存した設計を進めると新しい発見や可能性がある。


 展示室の奥には「犬のための建築を設計してください。」と誰もがアイデアを描けるコーナーが設けてある。これがまたネットに上げられ世界中に届けられるわけだ。


記者会見にて左から原研哉、Elien Deceuninck / MVRDV、John Hall / Imprint Venture Lab、藤本壮介、鈴野浩一・禿真哉 / トラフ建築設計事務所、塚本由晴 / アトリエ・ワンの各氏。 「展覧会、ネット、書籍の三位一体となった企画。新しいメディアを作ったのではと思っています。」と原さん。

【ARCHITECTURE FOR DOGS - 犬のための建築展】
会期:2013年10月25日〜12月21日
場所:TOTOギャラリー・間
詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex131025/index.htm

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