21 1月, 2014

ギャラリー・間「内藤廣展 アタマの現場」レポート

TOTOギャラリー・間で開催される「内藤廣展 アタマの現場」の内覧会に行ってきました。
"Hiroshi Naito: The Site of My Mind”

 1995年以来2回目となるギャラ間での個展。18年が経ち、かつ3.11を経て内藤さんのアタマの中を表現したような展覧会だ。


 3階展示室では内藤事務所の所長室の雰囲気を再現。


 進行中のプロジェクトの模型や図面。蔵書の1/3を持ってきたという書棚。内藤さんの机もそのまま持ってきた。 


 2015年竣工予定の "静岡県草薙総合運動場体育館” 。


 バスケットコート4面を取れ、東京の代々木体育館とほぼ同じ規模の体育館を木造で建てるという。大地震が予想される地域のため耐震基準は東京の1.5倍だそうだ。


 先端建設技術を3つ4つ導入しており、「今日本で動いている最も困難な建設現場ではないだろうか」と内藤さん。 


 主構造となるのは県の杉を使った集成材の柱。太さは360mm×600mmで、これを270本と..


 ..鉄骨トラス構造の屋根とが組み合わさる。


 ヤクルトのふた?で作られた模型も。


 事務所にある内藤さんの机。後ろには芸術家中川幸夫による「桜」の書。ピラネージがルネサンス時代に描いた古代ローマの平面図 "カンプスマルティウス” は、ルイス・カーンや磯崎新さんも飾っていたのに憧れたそうだ。


 机上にはメモ帳と、手描きのスケッチ。



 30年前、内藤さんが独立して初めて作ったという粘土の模型は、渋谷の “ギャラリーTOM”。



 4階展示室は事務所の模型部屋の雰囲気。左の壁には特に思い入れがある過去のプロジェクトを木製の模型にしてある。テーブルには進行中のプロジェクトで、左手前が “安曇野市本庁舎”。 


 今春竣工予定の “九州大学椎木講堂” は3,000人を収容。


 コンパクトな住宅の模型もある。


 コンペ当選案の提出資料もいくつかある。「手の内を見せてしまうことになるので展示するか迷ったが、さらに前進するためにも公開しました。」と内藤さん


 構造材のサンプル。


 棚には小さめの模型たちがずらりと並ぶ。


 明治通りを横断する “渋谷駅街区東口二階デッキ” なども。


 1999年竣工 “牧野富太郎記念館" の実施設計図は青焼きだ。


 内藤廣さん。「東京大学を退官後は建築の仕事に専念しようと考えていた。しかし丁度3.11が起き復興のために様々に携わることになった。そして建築について、建築家として何も話すことが出来なくなってしまいました。あれから3年近くが経ち、ようやく頭の中が動き出したので、今回そんな私のアタマの中(=現場)を見て頂いて、建築に迷っている方や若い建築家たちの力になれればいいな、と思います。」


2013年5月に刊行した “内藤廣の建築 1” と、今回刊行した “2” はTOTO出版から発売。

内藤廣展 アタマ現場
会期:2014年1月18日〜3月22日

場所:TOTOギャラリー・間
詳細:http://www.toto.co.jp/gallerma/ex140118/index.htm

期間限定 内藤廣による展覧会についてのつぶやき:https://twitter.com/naitohiroshi


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