25 3月, 2014

プリツカー賞を建築家・坂茂氏が受賞!

【ニュース】
プリツカー賞建築家・坂茂氏 (Shigeru Ban Architects)が受賞

個人住宅から文化施設にまで革新的で上品な設計を手がけ、また震災などによる災害被災地での支援活動など多方面に及ぶ建築活動を続けてきた坂氏がプリツカー賞に選ばれました。
"elegant, innovative work for private clients" as well as the "resourceful design approach for his extensive humanitarian efforts."
「この賞は僕が建築家としての実績を評価されたというより、これからも続けていきなさいと勇気づけられる賞と受け止めています」と坂氏。

日本人の受賞は故・丹下健三(1987)、槇文彦(1993)、安藤忠雄(1995)、SANAAの妹島和世&西沢立衛(2010)、昨年の伊東豊雄に続き、7人目。

Cardboard Cathedral, 2013, Christchurch, New Zealand. 
Photo by Stephen Goodenough

Centre Pompidou-Metz, 2010, France.
Photo by Didier Boy de la Tour
Haesley Nine Bridges Golf Club House, 2010, Korea. 
Photo by Hiroyuki Hirai

Curtain Wall House, 1995, Tokyo, Japan.
Photo by Hiroyuki Hirai

益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

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藤野高志/生物建築舎による「鹿手袋の離れ」

藤野高志/生物建築舎 (Takashi Fujino / Ikimono Architects) によるオフィス兼ゲストハウス「鹿手袋の離れ」のオープンハウスに行ってきました。埼京線武蔵浦和駅より徒歩10分程の場所。

 建築面積68m2、延床面積59m2。RC造2階建て。


 旧家の大きな敷地に建つ。


 生物建築舎のオフィス "天神山のアトリエ” を彷彿させるファサード。


 敷地に入ってみると巨大な庇が待っていた。


 建物の平面は7.2m×9.9m。庇は4.5m突き出している。


 住居部分のボリュームには大きな開口が両面上下に4つ、全て同じ大きさで2.35m×4m。


 庇と柱、そして露出した基礎によってフレーミングされる景色が楽しめる。


 1階の居室には大開口から出入りし、左からは浴室へ。2階へは階段を使うが、2階にはトイレがないので一度外へ出て、1階の居室へ。
大きな庇は内と外の両方の性格を持っている。住居部分で行動が完結せず、庇の空間を常に感じられるようにこのようなレイアウトにした。

 雨水は右にある1本のといから落ちてくる。それを受けるかめは、こちらの家が昔染め物屋をしていたときの物で一つだけ残っていたという。また地面に敷いた大谷石は敷地の土留めに使われていたもので、どちらもこの旧家の記憶を留めるものだ。


 ようやく室内へ。1階はオフィススペース。内々の幅は2.3mしかないうえに両面の大開口は、空間を何となく仕切るだけの雰囲気で水槽の中にいるような気分だ。


 シンプルで心地良い存在感のステップ。奥の木製扉はトイレ。


 トイレの扉は180度開き姿見に変わる。


 トイレの裏側に浴室。


 2階はゲストルーム。キッチンも備わる。


 奥には寝室スペース。家具はクローゼットだ。



 右に見えるのが母屋であり本家。ことある毎に親戚がたくさん集まるが、母屋の中=屋内だけでなくこの半屋外も集いの場になるようにした。
庇の下の地面はこの後、真砂土を突き固めて仕上げる。

 屋上は円形のデッキを中心に、施主が空中庭園のように仕上げていく予定だそうだ。 
屋上は微妙に傾斜が付いており、雨水はデッキ下の1箇所に集められ、前出のかめに導かれる。


 隣には2〜3ヶ月後に竣工予定の長屋。同じく生物建築舎の設計で進めている。
建物の高さが奥に向かって低くなっている。これにより建物間の隙間に現れる空の見え方が変わってくるという。


藤野高志さん。「母屋とは異なる一族の集いの場としてこの大きな庇を提案しました。住居側のボリュームを小さくし、庇を中心とした動線や、庇の向こうに見える母屋の存在や関係性を、内と外の性格を持つこの庇で繋ぎ、離れとして完結してしまわないようにしました。」 


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11 3月, 2014

メゾン青樹 × ブルースタジオによる「青豆ハウス」

メゾン青樹 × ブルースタジオによる共同住宅「青豆ハウス」の内覧会に行ってきました。場所は練馬区の平和台駅から7〜8分の場所。

 敷地面積488m2に二棟、計8戸の賃貸住宅。東側には区民菜園が広がる。


 コンセプトは「住む人、集まる人、みんなで育てる共同住宅」。「集合住宅」ではなくあえて「共同住宅」と呼んでいる。


 外観を観察すると、板張りのボリュームからガラス張りのボックスが右へ左へと出っ張り、引っ込んだ部分がテラスになっている規則性が見えてくる。1住戸3層のトリプレットだ。


 建物はシンメトリーに二つに分かれる。敷地のエントランスは石が敷き詰められ、中央にシンボルツリーが植えられる。


 進んでいくと上に渡り廊下、下に大きな門扉。その先に階段がつく。


 奥まで行って見返すと階段は両腕を広げてテラスに接続される。1階の両側に見えるのはトイレや各住戸用の納戸。床には大谷石が敷かれている。 


 階段を上がったテラスは全住戸の玄関が面している。いつでも住人同士が顔を合わせ声を掛け合うことが出来る。


 黒い扉が各住戸の玄関で4つあるのが分かる。


 渡り廊下からは今後階段脇に植えられる2本の木と、その向こうに広がる広大な畑を眺められる。


 どの窓がどの住戸のものかよく分からないのが狙いだそうだ。


 室内に入ってみる。200mmほどある大黒柱が中央に、居室はその周りを豆の木のように絡みながら配されている。


 プランは各住戸大体同じで、2階にLDK、1階に水回りと寝室、3階に個室の2LDKだ。カップルから小さいお子さんがいる家族向けを想定。


 入居者はポーターズペイントの工場に皆で行って色を選び、特定の壁に自分で塗装した。つまり入居前から住人は既に全員顔見知りで、共同で一仕事終えているという!




  住戸が絡み合うため、まん中の膨らみは隣の住戸だったりする。



 60m2前後で家賃は約16〜17万円。近隣相場より40%程高いがすぐに全室決まってしまったそうだ。



 こちらの部屋では壁が煉瓦色に塗装されている。他にトイレの壁紙も入居者が事前に選ぶことができたそうだ。


 1階コモンエリア(共用部)にはピザ釜やキッチンが付く。また菜園や、植栽もこれからだという。


 ここに植わる木は落葉樹だそうだ。「住人皆で落ち葉を掃き、その落ち葉で焼き芋なんかいいじゃないですか!」と青木さん。


事業主のメゾン青樹代表 青木純さん(左) 、設計・媒介担当のブルースタジオ 大島芳彦さん(右)。
「青豆ハウスは成長する住まいです。コモンエリアを中心に住人の多様性と共に育てていっていただきます。シェアハウスの次のステップを体現できる住まいとして考えました。」と青木さん。
「テーマは “育む” です。畑が広がるこの場所は練馬の原風景です。ここではモノだけではない住み手の生き様までもシェアできる、賑わいの場所を提供できると思います。」と大島さん。



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07 3月, 2014

河内一泰によるマンションのリノベーション「鷺沼スタードエリング」

河内一泰によるマンションのリノベーション「鷺沼スタードエリング」の内覧会に行ってきました。場所は川崎市宮前区。企画・プロデュースはプリズミック。

 築45年のマンションの住戸5戸を賃貸用に所有するオーナーより、プリズミックがリノベーションの依頼を受け、河内さんが設計を担当した。この日見学できたのはその内2戸。


 103。40m2、2DK。


 入ると十字と目の高さの棚が視界に入ってくる。 


 元のプランはこの時代多用されていた2DKの “田の字” プラン。その記憶を残しつつデザインされている。


 水平に見えるのは棚ではなく、実はロフト。


 ロフトはぐるりと室内を半周している。圧迫感がありロフト下が低いと取るか、空間の自由度と使い方の可能性が広がると取るか、感じ方は人によるだろう。そのためプリズミックとしては全戸室でこのロフト案は採用は見送った。


 ロフトの下にはハンガーラックのパイプが付く。ロフトは構造計算がきちんとされ十分な強度がある。

 設備類は全て新調されている。



 次に505。


 42m2、2DK。基本同じ仕様。



 こちらはロフトではなく棚を採用



 壁はラーチ合板。床の色はエリアで変えてある。



 仕上げの色違いを楽しむように軽やかに面構成がされている。


河内一泰さん。「この時代の2DK、田の字レイアウトのリノベーションに興味がありました。このロフトのアイデアがぴったりではないでしょうか。」
問い合わせ:プリズミック

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