05 3月, 2014

佐々木龍一 + 奥村梨枝子による南青山の複合テナントビル「aoyama 346」

佐々木龍一 + 奥村梨枝子/佐々木設計事務所 (Ryuichi Sasaki + Rieko Okumura / Sasaki Architectureが手掛けた複合テナントビル「aoyama 346」の内覧会に行ってきました。場所は港区南青山3-4-6。

 敷地面積752m2、建築面積425m2、延床面積1137m2。鉄骨造、地下1階、地上2階建て。店舗、事務所、診療所などが入る予定のテナント部分は全10室、44m2から最大105m2が設定されている。
以前当ブログでも取りあげた "BASE南青山" に隣接する敷地に建つ。建設中に出会ったオーナーからの依頼だ。

 敷地は左の通りから旗竿形状で、通り側と奥側(右手)で二つのボリュームがあり、その間をブリッジ(渡り廊下)で繋ぐような構成。


 クライアントの要望にあったのは、敷地に目一杯の建物ではなく余裕のある複合施設であること。そして都市にある軽井沢のイメージ。


 エントランスまでは林が切り取られたような庭を通って行く。建物に多用されている三角フォルムや線が取り入れられている。ランドスケープデザインはPLATdesign


 三角の植え込みには枝が編み込んであり "小枝ウォール" と名付けられている。


 エントランス。


 エントランスホールには三角の吹抜け。


 壁には鏡面仕上げのステンレス板が帯状に設置され、照明とガラスが複雑に映り込み非日常を演出。
照明デザインはソラ・アソシエイツ。


 サインも三角形。グラフィックデザインは南部隆一+高橋 慶成が担当。


 女子トイレのパウダーカウンター。足下部分に "グリーントライアングル" と名付けた小スペースが設けてあり、季節毎に植物をディスプレーできる。
切り株のスツールと合わせ、今回のテーマである "緑を内と外の空間が逆転するかのように建築の中に創造する" という演出の一つだ。

 その他いかにテナント入居者が気持ちよく過ごせるかということに重きを置いているかを示すものとして、建物内にはシャワーブースも完備されている。

 2階の給湯室。三角形が色々なレベルで浮いているように見えるシャープなデザイン。


 階段ホールには緑のガラスを使用。


 蹴込みには本物の葉脈が挟み込まれた強化ガラス。


 階段室の緑のガラスは外からもうっすら見えるようになっている。これも内と外のグリーンが繋がるようなデザインの要素である。


 101はエントランス脇のスペース。


 201の窓からは見える樹木の高さなども調整されているため、ランドスケープ越しに通りまで見通すことができる。


 3階へ上がってきた。左は飲食店の入居を想定した301のテラス。


 そのテラスからの眺め。


 ブリッジを通って通り側のボリュームへ。


 ブリッジを見返す。ブリッジは半外部という位置付けで、床の素材を切り替えている。


 303。


 夜景(photo: Sasaki Architecture)


佐々木龍一さんと奥村梨枝子さん。「この都心の地に植物や木漏れ日が建築に入り込む姿を模索しました。4mの高低差や特徴のある形状の敷地から、"内"に差し込むようなトライアングルの形をデザインのエレメントとしました。直角が無い建物の設計は簡単ではありませんでしたが、三角形の見え方や切り取り方を模型で何度も検証し、ランドスケープとも融合したボリューム感を生み出すことができました。」


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