05 2月, 2015

土田拓也/no.555による自邸「YAMATE APT.」

土田拓也/no.555 (Takuya Tsuchida / number fives architectural design office) による横浜市中区の自邸「YAMATE APT.」を見学してきました。
'73年に建てられた集合住宅の一室をリノベーション。

 玄関は木毛セメント板やコンクリートブロックを使い粗いテクスチャー。


 LDKに入ると土田さんの愛犬ジウジが出迎えてくれた。個室もいくつかあったが、91m2をゆったりとした1LDKにした。


 前のオーナーは手放すとき、きれいにリフォームしたそうだがそれらを全て解体した。
そして単に解体しただけの状態ではなく、所々モルタルやパテで補修し、粗すぎず、仕上げすぎずの絶妙なバランスに仕上げた。
「数十年前に躯体を作った職人さん、今回リノベに携わった職人さん達の “手垢” も大切にした。」と土田さん。



 床はボルドーパインに外装用のホワイト塗料で塗りつぶした後、サンドペーパーで目を出し、更にクリアを塗るといった手の込んだ仕上げ。
インテリアには土田夫妻のお気に入りが至るところに並ぶ。



 壁はコンクリートのグレーだけでは面白くない。床から72cmの高さまで白く塗り、奥にある長年愛用のソファに寝転んだとき白に包まれるようにした。一日の出来事を白紙に戻すようなリラックス感を得るためという、自身が持つ感覚的嗜好をデザインに反映できるという自邸ならではのこだわりだ。


 白い部分は立て掛けてあるホウキ下半分にも。
右に見えるスイッチパネルは特注で製作。




 玄関と右の寝室に通じる開口には、ポリカの板段をはめ込んだ建具を取り付けた。


 キッチンはステンレスの天板にスチールのフレームで作ったオリジナル。水道管は床から直接立ち上がり、業務用の水栓金具を取り付けた。目の前に並ぶ調理器具もインテリアの一部と化し、コンランショップに迷い込んだようだ。

 キッチンの奥は寝室。


 寝室というか、寝室側の空間。床はラワン、壁と天井は木毛セメント板に変わる。
左と右奥にベッドスペース。右のカーテンは水回りへ。

 ひとつの空間を手前と奥で何となく夫妻それぞれの空間に分けた。


 72cm高の白塗装はカーテンにも。


 浴室はFRPで仕上げた。


 キッチンは特に奥さまのお気に入りだ。
しかし、デザインは途中奥さまに見せずに、竣工してからサプライズ的に披露したそうだ。

土田拓也さん、ジウジ、未来さん。
「設計では竣工した時が完成ではなく、住みながら使いながら数ヶ月後に完成していくようにいつも心掛けています。意外かと思われるかも知れませんが、ラフさの加減はかなり緻密に計算します。今回は自分の家ですが、依頼された住宅でも "ここ、こうやって使ってくれたらいいな" と考え抜いて想定しながら計画します。」と土田さん。


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