01 10月, 2015

サポーズデザインオフィスによるアニエスベーの旗艦店「Rue du Jour (ルー デュ ジュール)」

谷尻誠 + 吉田愛/サポーズデザインオフィスによるアニエスベーの旗艦店「Rue du Jour (ルー デュ ジュール)」が銀座にオープン。内覧会に行ってきました。
ブランド誕生40周年を迎えたアニエスベー、全5ブランドライン、FEMME / レディス、HOMME / メンズ、ENFANT / ベビー&キッズ、 VOYAGE / バッグ、TO B. BY AGNES B. / シスターラインに加え、SPORT B. (スポーツべー)、インテリアクッズのライン LA MAISON SUR L’EAU(ラ メゾン スール ロー)ラインが日本初登場。
[agnès b. / Rue du Jour in Ginza, Tokyo by Suppose Design Office]

松屋銀座裏に位置する「松屋銀座マロニエ通り館」の1階から3階までを占める。「Rue du Jour (ルー デュ ジュール)」とは、1975年にオープンしたパリ1号店がある通り名のジュール通りに由来することから、この店舗がアニエスベーにとって重要な位置付けだということが伺える。 


 ファサードはラーチ合板と木目の大きいパイン材、そしてサッシュもパイン材。銀座の数あるブランドのきらびやかな旗艦店の中で、合板がファサードに使われているのはかなり新鮮で、逆に目を引く。


 1階、FEMME / レディス。店内に入ると素材感たっぷりの什器と、スチールのフレームで組み上げられた天井が大きなポイントだ。


 店内の床に幾つも置かれている箱は、フランスでよく使われているという通函。


 天井のフレームにはガラスが張られ、天井に曖昧な奥行き感をつくり出している。


 また天井のガラスは屋外の風景も映り込ませることで、屋内に屋外が浸透してくるようだ。


 アニエスベーがいつか店内でやりたいと言っていたカフェ、le café du jour(ル カフェ デュ ジュール)を併設。ここだけで味わえるアニエスベーオリジナルブレンドコーヒーは300円から。
カフェはサポーズの地元、広島発祥のObscura Coffee Roasterが監修。

 コーヒーを片手に店内を回ってもよいし、ベンチに腰掛けることもできる。
9本の角材を束ねただけの重量感たっぷりなベンチ。


什器の左に扉があります。実は。

 店内の随所に表現されている写真はアニエスベー自身が撮影したもの。


 1階の奥には「The first mirror that remembers you.」と書かれたデジタルミラー。
ゲストで来ていた豊田エリーさんに使っていただき、ミラー(カメラ)の前で1回転。その様子がリプレーされるので、後ろから見た様子が分かるというもの。データはスマホにダウンロードできる。その他バーチャル試着で服のカラーも変えてみることができる。

 LeModuleDeZeer(ルモジュールドゼール)とのコラボアイテム。


 ルモジュールドゼールが直接壁に描いたモジュールペインティングは階段室で見られる。ポスカ(uniのマーカー)で描いていくそうだ。
この階段は期間ごとに様々なアーティストでよって彩りを変えるギャラリーとして活用する。

 2階、VOYAGE / バッグ、TO B. BY AGNES B. / シスターライン、SPORT B. (スポーツべー)。
1階と同様の雰囲気でまとめられている。


 3階、HOMME / メンズ、ENFANT / ベビー&キッズ。床が足場の古材を敷いたフローリングに変わる。


 中央にはキオスクのような温室のような中庭をイメージしたスペース。


 フィッティングルームの前には、フランスの店舗で使われていたが、クロスが破れて使われなくなったソファーのクロスを貼り替え、カバーを掛けここでリユース。腰掛けのような不思議な座り心地のソファだ。


 フェイクや装飾を良しとしないアニエスベーに合わせてデザインしたハンガーラックは、木を削りだして製作。


 什器にも足場の古材を使い、表面的なエイジングではない本当のアップサイクル感を出した。


 什器は全て床にベタ置きはせず、脚を付け軽快感も出している。こちらでは脚にH鋼を使った。


 こちらはミラー仕上げのハカマ板を回し、目立たせずに床から持ち上げている。


 3階の窓際にはインテリアクッズのライン LA MAISON SUR L’EAU(ラ メゾン スール ロー)のセレクト小物が並ぶ。手前の什器は、前出の温室で(大きすぎて)切断されたビンテージ什器と新規に製作したものを接合し、新旧の対比。


「本国のアニエスベーの店舗を先入観なしで見ることから始めました。素材やその質感をありのままに表現しながら、それらの素材同士の対比。店内へ外部をさりげなく取り込む内と外の対比を大切にデザインしました。」と谷尻誠さん、吉田愛さん、担当の西永竜也さん。

【アニエスベー Rue du Jour (ルー デュ ジュール)】
東京都中央区銀座3-7-1 松屋銀座マロニエ通り館



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