05 12月, 2015

三浦慎×アトリウムによる赤坂の「Hotel Resveglio(リズベリオ)」

12月1日より赤坂に開業の「ホテルリズベリオ赤坂」の内覧会に行ってきました。
プロデュースはアトリウム、設計を三浦慎 (Miurashin Architect+Associates) が担当。

建築面積270m2、延床面積1,902m2、地上10階建。客室数71室、収容人数145名。
旗竿敷地というホテルとしては不利な条件だが、竿部分にアプローチとレストランを一体化させ、視線を路地の奥に誘導する。すると路地の奥にランダムな窓が散りばめられた目を引くファサードの建物が現れる。

日が落ちるとこのように。
デッキ張りの路地に小さく淡い照明が灯り、奥のホテルのファサードに地球儀のシルエットが映し出されている。

ホテルのコンセプトは以下のとおり、
「Resveglio(リズベリオ)はイタリア語で『目覚め』を意味します。人は、未完成で未知なものについ心が惹きつけられ、美しいと感じるものです。私たちは、完成を刺激する『未完のデザイン』を散りばめることで、お客様の感性を研ぎ澄まし『目覚め』のきっかけをご提供します。」

ロビー。
設計担当の三浦慎のほか、インテリアデザインに関家具とアライブプロデュース。アートやグラフィック監修に川上シュンらも参画している。
正面奥の「R」は〈kizuki〉と名付けられたインスタレーションで、天気予報を反映して青や赤など様々に色が変化する。

客室フロアの廊下。シックなモノトーンで男性的なイメージだ。


客室は主に16m2で、バスルームのレイアウトが2種類ある。
どちらのレイアウトも特にバスルームと寝室の関係を工夫した。

寝室側に開放できるバスルームにより、数字以上の広さが感じられるようになっている。
そして各客室にはアーティストによるアートが描かれている。この客室は7階なので松島純が担当した。

客室清掃係へのサイン。「シーツ、ナイトウェアの交換は必要ありません」は「Save Our Planet」と書いてある。

こちらはダブルベッドの客室。片側一面がバスルームになっている。


左から、シャワー、洗面、トイレ。クローゼット程の奥行きに一列に配されて、半分はガラス張りなので広く感じられる。


2人で泊まったとき困るのが洗面台の順番待ち。横長の洗面ボウルを縦に配置することで、対面で同時に使えるようになりその問題を解決。




タブレットPCや加湿器も常備。タブレットではホテルの様々なインフォメーションが表示でき、インターネットも使用可能。(ちなみに外に持ち出すとアラームが鳴ります)

最上階(10階)の 〈Regged Twin〉 は倍の広さ30m2。


この客室のみトップライトが設えてある。周囲のビルから視線が入らないよう配慮され、電動スクリーンで遮光もできる。


バスルームから。


バリアフリー客室。車椅子で水回りにアプローチしやすいように、開口をより広く取ってあるのでワンルームのように開放的。


後ほどバスタブの足元には踏み台が設えられる。壁面のペインティングは川上シュンによる。


2階の “Atelier Suite” は最も広い64m2。




ゆったりとしたリビングを抜けると、外で見えた地球儀のオブジェがここに現れた。


コリドールはさながらアートギャラリー。アートはartless Inc.とhikaruが担当。


コリドールを抜けると寝室。壁には70インチはありそうなテレビ。奥にバスルームへと続く。




左からアトリウムの小川修佑さんと亀田竜生さん、三浦慎さんとプロジェクト担当の田中知博さん。
「まず特徴的で新しいビジネスホテルを求められました。外部では旗竿という不利な条件を逆手にとって、この雑多な赤坂の繁華街に魅力的な路地を生み出し、そこへ足が自然と向くような仕掛にしました。客室は平均的なビジネスホテルより若干広めですが、今まで閉ざしていたバスルームを開放できるようにすることで空間に余裕と、新しいスタイルが生まれたのではないでしょうか。」と三浦さん。

【ホテルリズベリオ赤坂】
開業:2015年12月1日
所在地:東京都港区赤坂3-18-1


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