18 1月, 2017

猿田仁視/CUBOによる三鷹のアトリエ兼住宅「cocoon」

猿田仁視(CUBO Design Architect)による東京 三鷹市のアトリエ兼住宅「cocoon」を見学してきました。
京王井の頭線・三鷹台駅から10分程の住宅地。

 敷地面積158m2、建築面積91m2、延床面積160m2。木造2階建て。
西側から。五角形の変形敷地で且つ角地で、三面が接道する。

 東側からは違った表情に見える。ファサードの仕上げは杉板に塗装。


 左がアトリエで、右が住居。ボリュームは繋がっているが室内は分離されている。


 アトリエは二層吹き抜け。ジュエリーデザイナーの奥さまのアトリエで、作品のギャラリースペースや、撮影も出来るように計画されている。1階の奥はトイレやミニキッチンで、2階の奥がアトリエとなる。
作品名は「cocoon」は奥様のブランド名「MAYU」に由来する。

 入口の引戸は低くにじり口のようで、ジュエリーの世界へシーンを切り替える装置だ。


 角に開くスリット窓から光が差し込み、角を丸めた壁や天井によって柔らかな吹き抜け空間に。


 住居へ。物語の始まりを告げるような玄関。
2段目までが土間で、右は納戸。

 階段室までいって見返す。敷地が変形しているため、左奥の寝室を矩形にするために玄関は45度の角度が付けられ、間の納戸は三角形に。


 寝室。三角形の中庭に面し採光している。


 ご主人の書斎。


 バラガンを意識したという階段は光を目指して昇っていきたくなる。
階段下は裏庭から納戸として活用できる。

 手摺はスカルパへのオマージュ。階段室のトップライトは効果覿面だ。


 2階LDK。玄関から続く道程はここで一気に開放される。(もう少しカメラを右に振って撮ればよかった、、)
2枚目の写真で見える屋根の開口が正面のもの。

 右を見ると、階段室からラッパ状に開きながらLDKへ開くように操作されていたのだ。
中央のボリュームは水回り。

 屋内と一体で連続するテラスは、ベンチが作り付けられておりユーティリティ性が高い。


 ダイニングテーブルと一体のキッチン。軍艦のようになっているのは前述の三角形に合わせた遊び心。
キッチンはモルタルに水性塗料を含浸させ、クリアを吹き付けて仕上げてあるが、塗膜を長持ちさせるために長年試行錯誤を重ねてきたそうだ。

 水回りは三角形の45度の辺を意図的に使いながら変化のある空間としている。



 テラス。左は鉄板の黒皮まま。経年変化を楽しむという。


 ジュエリーのきらめきのように面や光が様々に絡み合っている。


猿田仁視さん。「外観からは閉鎖的な住宅に見えますが、中に入ると、一筋の光の落ちるエントランスが現れ、そのまま折れて繋がっていく階段を上がると、おおらかな2階大空間へと続きます。どこも採光を絞った計画としています。黒皮の鉄板やモルタルなど、素材そのものの持つ魅力をそのまま使い、高価な材料は使っていませんが、光の扱いを繊細にすることで、印象的で居心地の良い空間を目指しました。緊張感のある空気を纏った住宅となりました。」

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