05 8月, 2013

misoによる「鮨かなさ」

関西を中心に活躍するインテリアデザイナー、misoによる最新作「鮨かなさ」を尋ねてきました。


「鮨かなさ」は、大阪市の新福島駅近くに位置するカウンター席のみの江戸前鮨屋。住宅街という立地を生かすため、施主から隠れ家的な店にしてほしいという要望があったという。


床面積48.78m2 カウンター席10席


『重心の低さ』を空間を構成する際に重点を置き、通常の空間より天井を低く設定することで、カウンターに座った時に最も心地よく感じる天井高を考えている。




茶室の内部のように、人が座った時に初めてその天井の低さが生かされ、その空間に居る人に落ち着きとバランスをもたらす効果を狙っている。


重さが強調される石をあえて多く使用し、素材の重厚感によっても重心の低さを助長している。


トイレと洗面所
ペンダントライトは、misoがデザインした紙製の照明器具「sense


まるで洞窟の中のような雰囲気。
空間の曲線形状は、最も効果的に店内を照らし出す照明の反射角度から割り出されており、特にカウンターバックの大きな曲線部は、空間全体にやわらかい照明効果をもたらす。


入り口は6mmのスチール。特注の筒状ダウンライト。

既存の建物の外観すべてをデザインするのではなく、あえて入口部のみのデザインに制限し、辺りが暗くなる営業時間には建物の外観が消えて、入口のみが浮かび上がるように見える効果を狙い、暗くなると突如現れる隠れ家的な入口をつくりだしている。

施工にあたっては、misoも所属する建築/家具/施工チームのA.F.K.によるもの。施工のクォリティーの高さは、現場監督を担当した1級建築士でもある青木氏や家具製作を担当した木工家具職人である福田氏の力が大きい。

デザインを手がけた、misoの代表・インテリアデザイナーの小西啓睦氏。

『シンプルなライン構成でありながら、環境心理学、素材、寸法、形状などあらゆる角度からの緻密な計算によって”心地よさ”を導き出している。
こだわりのある鮨とともに、心地のよい非日常な空間を体験してもらえればと思う。』

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