20 12月, 2013

納谷新の自邸「360°」

納谷新 / 納谷建築設計 (NAYA Architectsによる自邸「360°」を見学してきました。場所は川崎市のよみうりランド近くの丘陵地。

 敷地面積193m2、延床面積95m2。木造 + 一部RC造2階建て。 

 モルタル仕上げの1階、芝生張りの屋根、焼き杉に黒塗装した2階のボリュームが積み重なっている。

 南側には庭と、屋根の下にはデッキを張ったテラスにする予定。庭は畑にして食べられる植物をメインに栽培するそうだ。

 玄関ポーチに戻って横に目をやると窪みにインターホンと、

 エンボス加工されたような表札。これは寺田尚樹さんによる制作。

 小さめの玄関からすぐに5段降りて室内へ。引越をされてから約2ヶ月、日常そのままの状態を取材させていただいた。

 振り返ると玄関引戸は鏡張り。その横は下足入れで扉は通気性を考慮しパンチングされたフレキシブルボードでできている。

 右に視線を動かすと薪ストーブ。右の扉から水回りへ。

 水回りは全面FRP防水されている。ステップからは前出のテラスに通じる。

 振り返ると天井に収納を発見。

 LDは吹き抜けになっており、L字の大きな開口と合わせ視線が空へ抜けていく。

 1階は地面から90cmほど掘り下げられ、地熱を利用した冷暖房の削減や、構造を減らし軽くすることもできる。全てのガラスはペアガラスで、このフロアにある床暖房以外家の暖房をまだつけたことがないそうだ。

 玄関引戸やサッシュなど風雨に当たる建具は、耐水性の高いヒバ材を使用。カーテンはテキスタイルデザイナーの安東陽子さんによる制作。

 工事中に伺ったときは、安東さんはちょうどカーテンを制作中でした。

 ダイニングテーブルは閉館した旧中原図書館からもらった机を磨き直して再利用している。左上には将来取り付けるかも知れないというプロジェクター用の開口。正面のステンレス製の工具ケースは食器棚として利用。

 キッチンでは、天井高約3mまで取ったたっぷりの収納。

 吹き抜けからは2階部分が伺える。食器棚の後ろは主寝室。主寝室の奥から階段の裏に回り込んでクローゼットがある。

 主寝室。杉板の型枠跡と本物の杉板が並んでいる。

 中2階のロフトは和室と、右にはキャンプ用具がぎっしりの収納。ステップは家具デザイナーの藤森泰司さん制作。

 2階はこどもたちのスペース。子供室2つと作業机、書棚が設えてある。


 敷地はご覧のように高台に位置する。

 キャンプが大好きな納谷家。家にいながらもできるようにと空中に庭を設けた。2階部分が小さな平屋に見える不思議な光景。

納谷新さん。「かっこつけるため、きれいにするための仕上げなど無駄なものをそぎ落として、通常クライアントには良しとされないような試みを、独立して20年の経験を積んだからこそ出来た住宅になっていると思います。」

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