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26 10月, 2012

岸本和彦 / acaaによる診療所兼住宅「O-Clinic / House-O」

岸本和彦 / acaa建築研究所 (Kazuhiko Kishimoto/acaaによる診療所兼住宅「O-Clinic / House-O」を見学してきました。

 敷地面積651m2、延床面積619m2。RC造+木造の二階建て。1階が整形外科の診療所、2階が住居になる。

 駐車スペースと、アプローチは列柱で支えられるピロティに配してあるので雨でも快適。またピロティはこの診療所が街に対して開かれていることのアピールだ。

 車を降りて診療所のエントランスへ安全な動線を確保。

こちらから見るとピロティの上部は住居部分であることが伺える。




 この建築の中心になる中庭。周囲はパブリックスペースのように腰掛けが設えてある。 


ステンレス板をくり抜いた傘立て。


診療所待合室。こちらからも中庭を眺めることができる。上部のスクリーンによって淡い光が差し込み、2階住居との視線を遮る。


 比較的大きな診療所で、高齢者の多いこの地域にとって大切な存在だ。

 奥にはリハビリテーションルーム。

 一度外へ出て住居部分へ。左の竹が植わるところがエントランス。


 2階へ上がると広いデッキスペース。低く抑えられた軒がそれをL字型に囲む。

 デッキの奥から。段差が設けられているため様々な居場所が生まれる。 

 中庭のメインツリーはカエデ、2階のメインツリーはアオダモ。造園は田畑了 / 園三 (Satoru Tabata / ENZO) による。 


 玄関を入るとリビングが外の段差と連続しているのが分かる。仕切りの右側は坪庭、書斎、パントリー、キッチン、ダイニング、坪庭と続く。

 80cmほど上げられたリビングはその分、軒が低くなり空間が水平に広がるようになる。

仕切りの鉄柱は床暖房の温水熱が伝わるようになっている。




玄関を入って右側は水回りへ。アクセントにRCの仕切りが一枚立てられている。 



書斎は坪庭を挟んで両側に配されており、ご夫婦それぞれの専用スペースだ。

DK。

キッチンに立つとこのような眺め。


DKからL字に折れ曲がり二部屋ある。 こちらは一番奥の主寝室。引き戸は障子になっている。

 鴨居は薄く見えるように断面が台形になっている。

 床はウォールナット材、天井はレッドシダー材。

「コンセプトは"マチに緑を還元する診療所"です。L字型のプランで1階は中庭を外に向け、2階は逆向きのL字型で中庭を抱え込むように計画されています。ピロティ越しに見える中庭の緑に引き込まれるように、地域の方がここに集いマチの憩いの場になってくれればと思います。」と岸本和彦さん。

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