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12 2月, 2014

菅原大輔による自邸「時の流れる家」

菅原大輔 (Daisuke Sugawara / SUGAWARADAISUKE) による自邸「時の流れる家」を見学してきました。場所は東京の調布市。

 敷地面積100m2、建築面積39m2、延床面積76m2。木造2階建て。


 ファサードは鉄板ではなくパンメタルの鉄仕上げ、事前に拝見した写真では黒かったが、大雪の後一気にレンダリング通りの錆色になった。


 ファサードの半分はエキスパンドメタルで半透明なボリュームを形作っている。このエキスパンドは防錆されていないので徐々に茶色になっていく予定。 


 敷地は法定建ぺい率40%と厳しい。ダイアグラムのように切り妻のヴォリュームを半分に割ってスライドさせることで東西に庭ができる。その庭と建物が重なる部分を内・外の中間領域としている。


 敷地全体には砕石が敷いてある。
実はこの住宅は親世帯との二世帯住宅。建物としては一つだが空間的にはセパレート出来るようになっている。

 砕石はそのまま玄関、室内を抜け東側の庭まで連続しており、敷地の対角を見通すことができる。



 玄関を入ると共有部の土間。内と外の中間領域だ。左のドアは予備室で国内外の下宿人が三世帯目として利用できることを想定している。その右が洗濯機置き場の扉。


 ここでは今後事務所主催のパーティーなども開催する予定とか。


 浴室からは東側の庭にヤマボウシが見える。


 子世帯の部屋は6畳程で、折れ戸を開けるとミニキッチンが現れる。普段はこの部屋と1階の共有部で生活するそうだ。
建具はシナ合板、床はバーチ材。天井高は2.1m、背の高い菅原さんが入るとさらにコンパクトに感じる。

 シンプルな暮らしをする菅原さんは翌日の引越にあたって、ご自身の物は衣類とダンボール箱4つだとか!


 東側の庭から見ると先に見た西側とほぼ同じデザイン。


 庭に張られたエキスパンドメタルは鉄骨を挟んで2枚張りで、目を縦横に使い星形に見える。外側のエキスパンドは防錆をしていないが、内側は白で塗装されている。


 渾身(?)の階段は、土間の空気感を邪魔しないように極力軽く抜けて見えるようにデザインした。


 2階では撮影中ですがお邪魔します。


 振り返ると外、庭、土間、吹き抜け、2階それぞれが軽快に繋がっているのが分かる。


 2階リビング・ダイニングは共用部。右がキッチンとトイレ。



 階段を上がった向こうが親世帯の部屋。セパレートする意味でも別なカギが付く。



 キッチンにはトップライトが設けてある。ハシゴを掛けて屋上にも出られ、夏には調布の花火も望めるそうだ。


菅原大輔さん。「 『時の流れる家』とは経年と気候による外観の変化、そして季節の移ろいによって変わる住み手の居場所の変化、さらに親との二世帯から始まり、将来的に私が家族を持ち住み手が増えたり減ったりしていきながら内部空間の使われ方が変化していく住宅です。」

設計: SUGAWARADAISUKE (担当: 菅原大輔、上赤坂典幸)


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