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26 3月, 2015

河西立雄による京都の自邸「音の家」

河西立雄(Tatsuo Kawanishi)による京都市の自邸「音の家」のオープンハウスに行ってきました。場所は地下鉄烏丸線北山駅から徒歩20分程の静かな住宅地。


敷地はもとの地勢を生かした傾斜地。敷地面積440㎡、建築面積83㎡、延床面積139㎡
 鉄筋コンクリート造、2階建て


北側外観とアプローチ。
外壁は焼杉。
シンボルのように桜の木が立っている。

階段とスロープによるアプローチの下は、自転車置き場となっている。

4.5m x 18m の細長い住宅
階段を登りきった後、緩やかなスロープを更に進んで廻り込んで玄関へ

玄関ポーチ。
オーク材の玄関ドアには、オリジナルでデザインを施された真鍮の取手。ガラス越しに奥行きのある空間と向こう側の景色が見える。

エントランスからは段差なく、そのまま吸い込まれるようにリビング・ダイニングへ連続する。焼き杉の外観から一変して、室内は打ち放しコンクリートの空間に床は御影石張り。

床のスリットには照明が備え付けてあり、夜には光のカーテンになるのではないかと。
内部空間は少し寒そうな印象だが、御影石の蓄熱性を生かして床暖房が備わっており、冬でも暖かい。
奥のドアを出るとテラスになっている。


手前右側の通路を入ると、トイレ、洗面所、納戸。中央通路を入るとキッチン、バスルーム、2階へ上がる階段。


どこを探しても電源プラグや電気スイッチなどが見当たらないので、照明器具に目をやると、コードが床と壁の隙間に入っていく。御影石のタイルを取り外すとプラグがあるのだとか。電気スイッチなどは納戸に設置されていたりと、極めてミニマルな空間になるように設計されていた。

奥へ進み、振り返って玄関の方を見る。
リビングの吹き抜けからは二階の天井の全貌を望むことが出来る。

リビングの壁の反対側にはキッチン。備え付けの家具は全てフランス産のオーク材。キッチンカウンターの奥にもスリットがあり、電気プラグなどが所々に設置されているので、好きな所に電気調理器具などを置いて使うことが出来る。
地窓は、近隣からの視線も外すことが出来、また隣の敷地の木が木漏れ日となって入ってくる。

地窓には腰までの高さの通風用の窓が備え付けてある。真鍮の取手を引いて空ける。

キッチンの奥には浴室。

振り返ると、2階へと続く階段。

2階に上がると、寝室と書斎が長い廊下を隔ててそれぞれの端に配置されている。奥には子供用の寝室と書斎。壁を使わずに空間を隔て個室を作っている。


廊下には収納棚が備え付けてあり、ここにもアップライトの照明が入っている。収納棚には空調機も収納されており、スリットから風が出てくるようになっている。


奥へ進むと子供室。
窓から比叡山が見える。


天窓からは木が覗いており、時折鳥が来たりと、ベットに横になりながら愉しい景色が望めるそうだ。

子供室からみた1階リビング・ダイニングの吹き抜け。
1階と2階を吹き抜けで繋げ、空間に余裕を持たせている。

振り返って主寝室・書斎の方へ戻る。

書斎。更に奥に寝室。


主寝室から2階の全貌を見る。
低いところで1650mmと天井高を抑えた2階の空間は、全て腰壁で仕切られているので、圧迫感はあまり感じず、落ち着いた感覚だ。

建築家・河西立雄氏
「自邸ということもあり、今まで考えてきたことや、他の仕事ではなかなか実現しな
いことを設計に取り入れた。法規による規制(屋根の勾配、軒の出、外壁の種類な
ど)が多かったので、すべてが思い通りにできたということではないが、奥行きのある
敷地形状を生かし、長く歩かせる空間構成とすることで、この場所の環境や地勢
が堪能できるようにした。単純でわかりやすい空間と素材によって、生活そのものが
際立つようになればと思う。」


設計:河西立雄 /  河西アトリエ
施工:アムザ工務店

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