2010年に始まった U-30展(Under 30 Architects exhibition)は、今年で5年目を迎えた。今年から年齢を5歳引き上げ、『35歳以下の新人建築家7組による建築の展覧会2014』が9月4日から開催された。これからの活躍が期待されるであろう若手建築家たちの視点から、これからの建築の可能性を伺える展示となっている。
【Under 35 Architects exhibition 2014】
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出展者は、建築家・石上純也氏が一般公募の中から以下7組を選抜。(五十音順)
伊藤友紀 Yuki Ito
+岩田知洋 Tomohiro Iwata +山上弘 Hiroshi Yamagami
植村遥 Haruka Uemura
魚谷剛紀 Takenori Uotani
高栄智史 Satoshi Takae
長谷川欣則 Yoshinori Hasegawa
細海拓也 Takuya Hosokai
模型:会場構成
■ 長谷川欣則 Yoshinori Hasegawa
長谷川氏のプロジェクトの一つである「部分の小屋」は、小さな建物を作るワークショップで作られた小屋。子供から大人までが実際に手を動かしてつくる建築を、施工の精度が高くなくても、空間の質を失わないように考慮して設計された。敷地であるビルの谷間にある路地にヒントを得て、狭さを心地の良さに変えるような空間を目指した。2つある小屋は現在は本屋とギャラリーとして人々に親しまれて使われている。
建築家が一人で考えるのではなく、そこに関わる人たちの意見を聞きながらみんなで参加できる建築を提示している。
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■ 細海拓也 Takuya Hosokai
『リアル』
建築は記憶の断片の組み合わせで造られる。脳に読み込まれた記憶や気になった建築や都市の空間を写真に残し、床に全てをフラットに置いている。これは、何かが特別なのではなく、対等なものとして扱っており、曖昧で不確かな「現実」を展示している。
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■ 植村遥 Haruka Uemura
『記憶の中の空間』
記憶の中にある各々のストーリーからつくり出された作品を展示。色やにおいを可視化するとどうなるのか。海の色、昔の写真の色がどのようにその風景を変えるのか。ミクロとマクロの視点で見る-自然と共に生きて行く生き物から学び、そこから建築に繋げていけないか。植村氏は、これらを組み合わせて、仮設住宅や都市、テクノロジーなどを作っていけるのではないかとマテリアルの持つ本質を活かしたものづくりを模索している。
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■ 魚谷剛紀 Takenori Uotani
『V / K house』
V house は、環境との向き合い方を考え、建築をvolumeとしてではなくvoidとして捉えることで、そこから導かれる壁を仕切るものではなく、繋げるものとして考えた建築。K houseは、敷地周辺のオープンスペースを階層的に取込み、機能を考えることで、領域のグラデーションや立体的な開放感を示す建築。展示では、二つのプロジェクトを様々なスケールを連続させて置き、そこに生まれる新たな視点、余白、距離感などから建築の拡張性を探したいと考えている。
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■ 伊藤友紀 Yuki Ito
『けんちくのうまれかた』
私たちの周りにある様々な出来事から建築のうまれかたを考える展示。伊藤氏のドローイングからアニメーション化された「ひとりのおばあちゃんの行為からできる建築」は、おばあちゃんが何かをする度にその周りの空間ができ、無限に広がっていく建築の思想が現れている。その他、移動式の個室「最低限個室カタツムリハウス」、住宅が都市のようであり、うるさいくらい自然が近い家「赤いレンガの家」、伊藤氏が建築を考える根本となった「Hole school / 行為と用途の穴からできる建築」が展示されている。
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■ 高栄智史 Satoshi Takae
『a-hum』
a = architect, hum = humanity 「建築の価値は設計者によって決まるものではない。」
現在進行中の住宅プロジェクトの経過模型と両端に言葉、移動する空間を360° 体感出来るボックスが展示されている。この住宅では、建築家の理想に近づけ価値付けしていくものではなく、高栄氏が施主と設計に携わるものとの対話で何度も修正を加えながら、豊かな建築をつくる手がかりを探っていた様子が伺える。
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■ +岩田知洋 Tomohiro Iwata +山上弘 Hiroshi Yamagami
『領域が変化する壁』
ある一点に立つと全ての小口が見えるが、ある一点に立つと壁のように見えるパーティションが展示空間に設置されている。これは、岩田氏と山上氏が「人が動くことで領域が変化する壁」という人が関わることで変わる空間の機能に興味を持ち、設計された。今回の展示では、このコンセプトから2つの住宅プロジェクトを紹介している。一つ目は、密度の違う木材の配置で見える景色や風の通りが変わる住宅と、もうひとつは、混ざり合う空間によって領域が変化する住宅。どちらも建築家が領域を決めるのではなく、住み手が領域を決めるように設計されている。建築家は壁や屋根や窓をつることで空間領域を決めるのではなく、人の行為で領域が変わっていく建築を目指している。
【Under 35 Architects exhibition 2014】
■ 長谷川欣則 Yoshinori Hasegawa
『思考のつづき』
展示されている模型は、中止になったプロジェクトも、進行中のプロジェクトも平行して並んでいる。ぐるぐると円を描きながらひとつひとつのプロジェクトを観て廻るように設計された設営方法は、まるで長谷川氏の思考回路を観ているようで、思考がループのように続いていくようだ。長谷川氏のプロジェクトの一つである「部分の小屋」は、小さな建物を作るワークショップで作られた小屋。子供から大人までが実際に手を動かしてつくる建築を、施工の精度が高くなくても、空間の質を失わないように考慮して設計された。敷地であるビルの谷間にある路地にヒントを得て、狭さを心地の良さに変えるような空間を目指した。2つある小屋は現在は本屋とギャラリーとして人々に親しまれて使われている。
建築家が一人で考えるのではなく、そこに関わる人たちの意見を聞きながらみんなで参加できる建築を提示している。
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■ 細海拓也 Takuya Hosokai
『リアル』
建築は記憶の断片の組み合わせで造られる。脳に読み込まれた記憶や気になった建築や都市の空間を写真に残し、床に全てをフラットに置いている。これは、何かが特別なのではなく、対等なものとして扱っており、曖昧で不確かな「現実」を展示している。
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■ 植村遥 Haruka Uemura
『記憶の中の空間』
記憶の中にある各々のストーリーからつくり出された作品を展示。色やにおいを可視化するとどうなるのか。海の色、昔の写真の色がどのようにその風景を変えるのか。ミクロとマクロの視点で見る-自然と共に生きて行く生き物から学び、そこから建築に繋げていけないか。植村氏は、これらを組み合わせて、仮設住宅や都市、テクノロジーなどを作っていけるのではないかとマテリアルの持つ本質を活かしたものづくりを模索している。
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■ 魚谷剛紀 Takenori Uotani
『V / K house』
V house は、環境との向き合い方を考え、建築をvolumeとしてではなくvoidとして捉えることで、そこから導かれる壁を仕切るものではなく、繋げるものとして考えた建築。K houseは、敷地周辺のオープンスペースを階層的に取込み、機能を考えることで、領域のグラデーションや立体的な開放感を示す建築。展示では、二つのプロジェクトを様々なスケールを連続させて置き、そこに生まれる新たな視点、余白、距離感などから建築の拡張性を探したいと考えている。
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■ 伊藤友紀 Yuki Ito
『けんちくのうまれかた』
私たちの周りにある様々な出来事から建築のうまれかたを考える展示。伊藤氏のドローイングからアニメーション化された「ひとりのおばあちゃんの行為からできる建築」は、おばあちゃんが何かをする度にその周りの空間ができ、無限に広がっていく建築の思想が現れている。その他、移動式の個室「最低限個室カタツムリハウス」、住宅が都市のようであり、うるさいくらい自然が近い家「赤いレンガの家」、伊藤氏が建築を考える根本となった「Hole school / 行為と用途の穴からできる建築」が展示されている。
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■ 高栄智史 Satoshi Takae
『a-hum』
a = architect, hum = humanity 「建築の価値は設計者によって決まるものではない。」
現在進行中の住宅プロジェクトの経過模型と両端に言葉、移動する空間を360° 体感出来るボックスが展示されている。この住宅では、建築家の理想に近づけ価値付けしていくものではなく、高栄氏が施主と設計に携わるものとの対話で何度も修正を加えながら、豊かな建築をつくる手がかりを探っていた様子が伺える。
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■ +岩田知洋 Tomohiro Iwata +山上弘 Hiroshi Yamagami
『領域が変化する壁』
ある一点に立つと全ての小口が見えるが、ある一点に立つと壁のように見えるパーティションが展示空間に設置されている。これは、岩田氏と山上氏が「人が動くことで領域が変化する壁」という人が関わることで変わる空間の機能に興味を持ち、設計された。今回の展示では、このコンセプトから2つの住宅プロジェクトを紹介している。一つ目は、密度の違う木材の配置で見える景色や風の通りが変わる住宅と、もうひとつは、混ざり合う空間によって領域が変化する住宅。どちらも建築家が領域を決めるのではなく、住み手が領域を決めるように設計されている。建築家は壁や屋根や窓をつることで空間領域を決めるのではなく、人の行為で領域が変わっていく建築を目指している。
【Under 35 Architects exhibition 2014】
会期期間: | 2014年9月4日(木)~10月4日(土) 10:00~18:00 日曜・祝日休館 ※ 9月6日(土)、9月13日(土)のみ20:30まで開場 |
入場: | ¥1,000 |
展覧会場: | 大阪・南港 ATC ODPギャラリー 〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10 アジア太平洋トレードセンター(ATC)ITM棟10階 ODP(大阪デザイン振興プラザ)※ 大阪市営地下鉄・ニュートラム線 「トレードセンター前」 直結 |
出展建築家: | 伊藤友紀、岩田知洋・山上弘、植村遥、魚谷剛紀、 高栄智史、長谷川欣則、 細海拓也 (新人建築家7組) |
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