タイトルの"Life is hard... Let's go shopping."は、"人生ままならないのでちょっと買い物でも行きましょうかね"という、衝動買いを肯定するような意。片山さんは25年前からキャリアをスタート。7年ほど前に武蔵野美術大学の教授に就任し、アートにかぎらずモノが持つ意味合いに深いものを感じ始めたという。
展示されているのは、さまざまなジャンルや時代の現代アート、骨董、家具、剥製、多肉植物、書籍、CDなど総点数500以上。会場は主に、テーマに沿って分けられた17のROOM(展示部屋)と、作家にフォーカスしたエリア4つとPOP UP STOREで構成されている。現代アートギャラリーTARO NASU代表の那須太郎さんをスーパーバイザーに迎え、分類・編集していった。
片山正通さん(ワンダーウォール代表)
「自分がコレクターだと思ったことはありません。人に出会うように、多くのモノに出会ってインスピレーションを受けてきました。僕のからだを通して誠実に向き合って収集されたもの、と言えると思います。展示空間については"お店だったらどうするか?"という視点で見やすいように整理するなど、そこはプロとして構成しました。楽しんで頂ける自信があります」
〈Wonderwall Office Tour〉
まず展示室に入る前に、アートやオブジェが実際Wonderwallにて、どのように展示され機能しているかを映像と模型で紹介するコーナーがある。
Wonderwall Office(模型)。
自社ビルは自ら設計し、2009年に完成。トップライトを持つ6層の吹き抜けに縦導線として階段があり、その階段室の壁面に、収集してきたアートや彫刻などを展示するスペースが設けてある。
展示期間中はオフィスの中が空っぽらしい。
ここからは、テーマ別に紹介する。
まずは片山さんを魅了したブックデザインや音楽などが見て取れる長いコリドーを進み、そこから先は大小様々な部屋がつづら折りに続く。
〈Publications/出版物〉
〈Music/音楽〉
〈Succulent Plants/多肉植物〉
〈Human & Animals/人と動物〉
コーナーを曲がる度に、なにかが待っている。
剥製。そして高さ2メートルを超える大竹利絵子による少女の木彫。
〈Black & White/白と黒〉
ブルックリンに拠点を置くアーティストKAWSのコレクション。
〈Abstract Art/アブストラクト・アート〉
〈Landscape/ランドスケープ〉
松江泰治の作品や、サカナクションの山口一郎が同展のために制作した音に関する作品。
〈Antiques & Objects/骨董、オブジェ、その他〉
旅先などで手に入れた世界中のオブジェクト(古道具)は、片山さん自身が辿った軌跡であり歴史そのもの。
〈Mid-century Furniture/ミッドセンチュリー家具〉
ミッドセンチュリー期のモダンデザイン。ジャン・プルーヴェやシャルロット・ぺリアンの家具などが展示されている。
〈Conceptual Art/コンセプチュアル・アート〉
コンセプチュアルな作品。ライアン・ガンダー、サイモン・フジワラなど。
バッファロー(剥製)の首からテキストをぶら下げた作品は、Wonderwallオフィスのシンボルのひとつだ。
出口手前、最後に待っているのは"おじぎ福助"。
〈POP-UP STORE〉
ギャラリーショップにはディスプレイ「片山正通的百科全書 The Encyclopedia of Masamichi Katayama」が設置されており、本展のアートディレクター平林奈緒美デザインによるグッズを購入することができる。
「片山さんより100ほどの英単語が届き、厳選した5つをデザインに起用しました」と平林さん。その中の3つを並べたら、偶然面白いつながりを持ってしまったという(!)
【片山正通的百科全書 Life is hard… Let’s go shopping.】
会期:2017年4月8日〜6月25日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
詳細:https://www.operacity.jp/ag/exh196/
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