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敷地面積141m2、建築面積54m2、延床面積135m2。木造+一部RC造、地下1階、地上2階建て。
切妻のボリュームに横連の開口が上下に二列あるのが特徴だ。
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正面は南東向き。横から見ると下層は半地下になっているのが分かる。背面の屋根は斜線の影響で寄せ棟になっている。
斜め後ろに見えているのはご両親の家だそうだ。
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腰壁に囲まれた珍しい玄関アプローチ。その先にピロティーがあるようだ。
外壁は杉板にホワイトの拭き取り塗装。
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アウトドアが大好きなご主人はこの広いピロティーを望んだ。スケートボードも見えるが、ここにスパイン(スロープ)を作りたいと考えているようだが、近隣への騒音の心配もあり思案中だとか。
腰壁は基礎がそのまま立ち上がったもので、静かな住宅街でオープンになりすぎないよう配慮した。
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横連の開口はこちらにも採用されている。右の引戸が玄関。
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地下階。この空間は昔の家屋にあった大きな土間のような働きで、簡単な接客や、立ち話ができるようにした。さらにご主人の趣味の部屋でありガレージであり、倉庫。およそ思いつく外遊びギアが一通り揃い、アウトドア好きにはたまらない空間だ。唯一(?)奥さまのものは右奥のアップライトピアノだろうか。
床はモルタルで、電気式の土壌蓄熱を導入している。
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引越は1年前に済んでおり、植栽が落ち着き、生活感が出てきたところでの竣工写真撮影のタイミングで訪問した。
壁の棚などはご主人自らが取り付けたものだ。
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1階へ。
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1階はLDK。天井を抑えたDKの先にリビングが連続する。
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左を見ると収納、浴室と続き、奥の右手がトイレとなる。
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キッチンから。横連開口から景色が4枚の絵のように切り取られている。
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ダイニングを抜けると切妻ボリューム一杯に気積が広がり、DK上の2階が姿を現す。
中心の梁は右の外壁を支えるもの。象徴的な存在になるよう塗装されていない。
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床はオスモのオーク材フローリングだが、土田さん達の手作業で浮造加工されている。また壁は本漆喰、天井は土田さんの建築では定番の木毛セメント板となる。
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窓に近付いておやっ?と思う。外観で見たときはフラットだったにも関わらず、内部から見るとサッシュがアウトセットされている。これはアウトセットされたサッシュの出幅に合わせて外壁をふかし、外観を面一にしてあるのだ。
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2階は寝室とクローゼット。床と同じラーチ材で作られた収納家具で緩く仕切られる。
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1階2階が連続する開放的な空間は間仕切りのない大きなワンルームと言える。屋根の開き止めにスチールのタイバーが幾筋か通される。
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間接光に柔らかく包まれる小屋裏空間。
「半地下にあるホビールームは、家族が顔を合わせるスペースとして、第二のリビング的な役割を担わせています。この気を使わないスペースは、裏の敷地の両親も孫の顔を気軽に見に来れ、ママ友などもハードルを感じず来れるよう計画しています。ホビールーム前のピロティでは、ご主人の趣味のスケートボードを音を気にせず楽しめるようにしていますが、子供達の遊び場であったり、テーブルを置いて時間を過ごす第三のリビングにもなっていきます。家族の意思によって、居場所がズレていき、室の名前もズレていくような計画としています。」と土田拓也さん、担当の平野佳乃さん。
【MRM】
建築設計:no.555一級建築士事務所/土田拓也+平野佳乃
構造設計:frame works/秋元恵美
施工:安斎工務店
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