相坂研介さんによる二世帯住宅「宮坂の住宅 II・III」のオープンハウスに行ってきました。場所は東急世田谷線 宮の坂駅より3分ほどの住宅地。
敷地190m2、地上2階、地下1階。木造+一部RC造。
右のブラウンの側がご両親の家、左のオレンジの側が息子さんの家。南側に回ると隣にイエローの家が。こちらは下の息子さんの家「宮坂の住宅 I」で、3年前に相坂さんに設計を依頼。今回も是非とのことで隣の敷地にお兄さん夫婦とご両親の家も依頼されたそうです。 模型の断面。傾斜地のため複雑にスキップ・回遊しながら2世帯が繋がっています。右側が両親の家で左側の息子さんの家とは地下と、中心のテラスで往来が可能。テラスは隣の家との接続部分でもあります。 ご両親宅の玄関。入ると目の前に二本の長い柱。これは、この土地に以前あった材木商の先祖が建てた家の部材を修復し繋げ、家の"ご神木"として存在しています。柱は構造ではなく裏側に照明が設置されています。 キッチンからの眺め。階段はさらに屋上へと繋がっています。 玄関を入るとこちらにも"ご神木"が。隣の家にもこの対のご神木があるそうで、先祖に見守ってもらっていることと、この土地を与えてくれた先祖への感謝と尊敬の意味が込められています。 玄関から半階下りて地下ホール。AV機器が取り付けられ、来客にも使われるそうです。右奥は3畳ほどの和室スペース。左奥に見える扉で両親宅と繋がっています。
1階部分にあたるテラス。三家族が行き来し、集うことが出来ます。 書斎を出るとこちらの廊下に。奥が水回りで、左には玄関から伸びるご神木。 南側には両親の家がありますが東西の開口により、とても光量と開放感があります。窓の位置は兄弟の家同士とはいえ互いのプライバシーに配慮した位置に開口しています。 キッチンには外観と同様に夫妻お気に入りのオレンジ。正面の上がったスペースはパントリー。ちなみにこのパントリーの下が書斎になります。 リビングから北側を見る。正面にある階段を上がると屋上に出られます。
屋上にはデッキスペースが設けられており、こちらもプライバシーに配慮した壁を設けてあります。 「三世帯個々のプライバシーを保ちながら、様々な方向からアプローチできる動線も共有させました。台形の組合せ、スキップフロアによる変化に富んだ空間は"回遊性"と"統一と差異"がテーマです。そしてこの一角を家族が寄り添う小さなムラ・集落のように扱うことで、特有の雰囲気を創り出すことが出来ました。」話す相坂研介さん。