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26 7月, 2013

長坂常による「WORLD BASICS」展示会場デザイン

長坂常/スキーマ建築設計(Jo Nagasaka/Schemata Architects)が会場デザインを担当した、アパレルブランド「WORLD BASICS」の展示会場に行ってきました。

会場は東京のワールド北青山ビルの1階。

 WORLD BASICSはアパレル企業ワールドが展開するブランド。ブランドとして3シーズン目に入るに当たってブランドコンセプトを新しくする事になった。

 素材やもの作りにこだわった「更新するベーシック」をキーワードに、そのイメージを言語化・可視化するために建築家の力が必要だった。
右にあるのは高品種コットンの落ち綿がブレンドされたワタで、非常に滑らかで柔らかい!

 商品以外で長坂さんからのニューベーシックの提案「柔らかい平台」。ショッピング中、什器に膝があたる不快さをなくすようスポンジでできている。

 もう一つのニューベーシック「ハンガーをかけるときに柔らかい音のするラック」。金属同士のカチャカチャする不快な音がない。

 ポップアップストアなどでそのまま使えるディスプレーセット。

 素材の肌触りがとてもいいので、お客さんにすぐ試着してもらえるよう試着室がセットになっている。

 丸編みでシームレスにできているシリーズ「MALU」。

 生地が巻いてあった円筒を使ってディスプレー。

 スポンジによって独特の雰囲気に。

 ブランドロゴもスポンジに埋め込まれている。

 時折異質な物をディスプレーすることで会場にメリハリをつけている。

パンフレットの台もスポンジだ。

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25 7月, 2013

arbolによる「西三国の家」

大阪を拠点に活躍する設計事務所、arbolによる西三国の家の内覧会に行ってきました。


平屋木造建て
敷地面積169.24㎡、建築面積91.70㎡、延床面積91.70㎡
70代のご夫婦の2人暮らし
敷地は、市民公園が計画されている予定地の北側に隣接してる。


マンションを購入するか平屋を購入するかを迷われていた訳ではないが、施主にとってそれぞれの利点を考えて設計された。


杉板張りの外壁
コートハウスの難点は風通し。目隠しと風通しを良くするために南と北側それぞれにスリットを設けている。



ガレージ、奥に玄関


玄関扉
玄関を入ると、まっすぐにのびる廊下。両側に庭が配置されているので、とても明るい。
通路やトイレなどは通常より広めに計画されており、バリアフリーにも対応。なんといっても、広い廊下は気持ちが良い。


奥へ進むと、庭に囲われた和室と縁側。


和室
引き出し式の棚は仏壇に


縁側から見た庭と縁側

縁側から見た和室とリビング
写真からわかるように、廊下は両側が庭に挟まれており、内と外の境界線が曖昧な感覚になります。


縁側から見た和室とリビング、ダイニング


右側に水回りのものが配置されている。
奥からキッチン、トイレ、バスルーム。
クーラーやヒーターも賢く収納されており、使うときにだけ姿を見せる。

キッチンはArietta


キッチンからリビングと庭が見えるようになっている。


中庭の奥には洗濯物を干すための空間がありました。ここは外壁と内壁の間の空間。外壁のスリットからは外気を取り入れることが出来るが、洗濯物は外から見えないように目隠しとしても機能していました。雨から洗濯物を守るようにポリカの屋根を設置し、奥様の背丈に合わせて物干し竿や窓の高さなども決められていました。


中庭から見たリビング、和室、廊下


中庭から廊下を見る
景観設計は、荻野寿也さん


リビングは掘りごたつに。中庭に囲まれてはいるが、直射日光が入るわけではないので、明るすぎない。また、程よい大きさの庭が落ち着かせてくれます。
秋には紅葉が一層美しくなり、一年中楽しめるお庭を設計されています。
「一点を見る庭ではなく、視野が広がるS字型の中庭を計画しました」と堤氏。


リビングから見た和室と中庭
外壁に内壁(ガラス)で囲われているので、窓やガラス引き戸を全開にしていても安心。窓には全てカーテンレールが設置されているので、夏の暑い日や冬には断熱としても効果があります。


障子で仕切ることが出来、ゲストも宿泊できます。


電気スイッチはJIMBO
配置にも配慮が見られます。


リビングから廊下、玄関を見る
両側には中庭。奥には靴箱。


寝室
右の窓の外側が洗濯物を干すスペースに。窓の位置はちょうど洗濯物が見えない高さに。

寝室からも緑が見られるように、ここにもお庭が配置されていた。下方の窓から優しい光が入り込んできます。

鳥瞰図 Drawing ©arbol
「奥様が緑が好きなので、住宅ゾーンと緑ゾーンをわけてレイアウトし、一点を見る庭ではなく、視野が広がるS字型の中庭を計画しました。」堤氏。
このパースからもわかるように、家を箱で囲い、S字型の中庭を配置することで全ての部屋から庭が望めるように設計されていました。


Drawing ©arbol

Drawing ©arbol

「シンプルでいて暖かみを感じるデザインを心がけています。装飾はせずになるべくフレキシブルに。ライフスタイルが変わっても気持ちよく住めるように工夫をしており、自然のものを出来るだけ使い、朽ち果てても良くなっていく、味が出て来ることを意識して素材選びをしています。」堤庸策氏(arbol 代表)

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22 7月, 2013

伊藤博之・川辺直哉・田井幹夫・松野勉「ノイズを設計する 刊行記念展」レポート

彰国社より発売された「ノイズを設計する-あたりまえの建築を目指して-」の刊行を記念して東京南青山にあるプリズミックギャラリーで開催される展覧会。伊藤博之(O.F.D.A.)、川辺直哉(川辺直哉建築設計)、田井幹夫(アーキテクトカフェ建築設計)、松野勉(ライフアンドシェルター社)4氏による共著だ。
Planning the Noise Exhibition : Hiroyuki Ito, Naoya Kawabe, Mikio Tai, Ben Matsuno

 4人がそれぞれの実作を訪問し、それぞれの建築について対話を重ねそれをまとめた本だ。

 本に使われている写真は竣工写真ではなく、住まい手が生活を重ねている様子を撮り下ろしの写真を使っているのも興味深い。 

 展示されているのは4作品それぞれの模型、パネル、図面。

 図面の周りには沢山のスナップショット。

 近づいてみると、訪れた際建築家たちが自ら撮影した写真と、そこにコメントが貼られている。 


 会場には付箋が置いてあるので、観覧者は自由にコメントを書き込める参加型の展覧会になっている。

  模型は1/50、展示台の大きさも揃えて並んでいる。

 O邸/川辺直哉

 玉川の集合住宅/伊藤博之

 明圓寺納骨堂 '游心庵'/松野勉

 Takanawa Terrace/田井幹夫

 左から松野勉さん、伊藤博之さん、川辺直哉さん、田井幹夫さん。
「建築にとって不要な要素をノイズとして排除しようとしても、それらは現実としてあたりまえにある。ならばそのノイズをきちんと感じ取り建築の要素としてあたりまえに構成するとはどういうことなのか。」と4人は話す。

 オープニングの様子。 

「身の回りの具体物が発する文脈や感覚を積み上げていくこと。あたりまえのことをきちんと捉え直すこと。それによって本書に記されたような、いくつかの興味深い試みが実現されています。みなさんが、身の回りのノイズと対話し、あたりまえを捉え直す方法の参考にしていただければと思います。」前書きより

【ノイズを設計する-あたりまえの建築を目指して- 刊行記念展】
日時:2013年7月20日~2013年8月23日
場所:プリズミックギャラリー
詳細:www.prismic.co.jp/gallery/works47/

【ノイズを設計する-あたりまえの建築を目指して-】
彰国社:www.shokokusha.co.jp/?p=4988

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