左の二層吹き抜けは地階の店舗へのエントランスで、右のガラス引戸は住戸へ。
入ると中はZ字型の通路と吹き抜け。アジアの繁華街の裏路地に迷い込んだような雰囲気だ。
見上げると幾つもの渡り廊下(?)が掛かっている。
通路はそのまま南側まで抜けられるので、今度は住戸部分へ上がってみる。
階段を登りながら横を見ると渡り廊下ではなく各戸室から突き出たバルコニーだと分かった。
201。南北に面するこの部屋は両面に透かし積みがされている。収納、キッチン、水回りで部屋を二つに分けている。
202。北側の部屋はしっとりとした光。右側の扉からバルコニーへ出られる。
各部屋にはオリジナルの照明が設置されている。シェードのガラスにはあえて不純物を取り除かないようにし、赤味や、青味掛かっていたりそれぞれ固有の色を持っている。写真は下の方がピンクになっているのが分かる。
外壁に使用した煉瓦はこの建物の為に多治見で焼いた。ご覧のように色味は均一にならないようにしてもらい表情が豊かになっている。
「竣工のタイミングで一番キレイなのではなく、時代を生き抜いていくような、きっちり残っていくよう素材を大切にしている。」と浅利さん。
バルコニーにはスレートが張られている。
住戸部分への経路を、単なる経路ではなく住戸の一部として組み込んだ。
店舗と住戸の関わり方を検討したという浅利さん。「建ぺい率の問題を吹き抜けを利用し、うまく関わりを持たせることができた。」
304。南側は冬には部屋の奥まで透かし積みの光が届く。
吉祥寺の喧噪をシャットアウトし非日常を演出した。
303。中心に機能を集約させたコの字型レイアウト。
水回りはまるで万華鏡のようだ。
303のバルコニーから見下ろす。
浅利幸男さん。「リゾートの雰囲気の集合住宅をということで依頼されました。リゾートは非日常です、ここでは非日常的な雰囲気に設計しました。吉祥寺のノイズを遮りながら、完全に外部との関わりをなくすというのではなく、所々眺望や光という取り込みの操作をしました。」
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