道路と緑道に挟まれた三角形の敷地。緑道には桜も含め様々な木が植わり、贅沢な借景が期待できる。
緑道側から。道行く人との視線を考慮したことが伺える軒の高さ。
炭がしっかり残る焼き杉の外壁に、施主こだわりの格子戸が映える。
「周囲に緑が多いところでは黒い家が似合う。」と岸本さん。
格子戸を開けると2台分のガレージでワーゲンバスなどが納まる。玄関はガレージ内から引戸を開ける。
左上の開口からはガラス越しに緑道へ視線が抜けるようになっている。
落ち着いた雰囲気のトイレ。
廊下の天井は包み込むように大きくカーブしている。右の壁は濃紺の和紙(壁紙)が貼られ光を吸収している。
地窓からは外構の植栽が覗き、床に飛び石を配することで外の雰囲気を演出している。また飛び石はこのほの暗い空間に距離感を与えてくれる。
洗面台の下には乾燥機が収まっている。
そしてまた振り返ると横長に緑道の緑が切り取られる。もうじき正面の桜が満開になる。
5段上げたのは緑道からの見下ろし視線を避けるためだ。
鴨居と戸の切れ込みのおかげで分かり易くなっているが、天井がカーブを描きながら窓に覆い被さっている。これは室内から見たとき、軒の垂木が持つ直線的で外に向かおうとする力に対して、曲面によって内側に包み込もうとする力を生み出してバランスを取っている。「外に繋がる力と、内に包む力のせめぎ合いです。」と岸本さん。
開口は105mm角の柱で一間ピッチで刻んだ。
キッチン、ダイニングの側へ。
キッチンは家の中心に位置する。小窓がつきダイニングへサーブしやすい。
右奥のIHコンロの上、タイルに少し隙間が見えるのは換気扇の吸い込み口だ。
もちろん緑道を眺めることができるが、行き交う人と直接視線が合わないようになっている。
ダイニングテーブルの片側は背後の階段が連続しベンチシートになっている。
上は勉強スペース。
窓を開けると縁側に身を乗り出すこともできる。
2階勉強スペース。
天井の頂点もカーブしている。フリースペースを抜け、奥には個室が集まる。
手前に子ども室、奥はガラスと扉で仕切られた主寝室、右奥に籠もり部屋のような一室がある。
鴨居を宙に浮かせ、戸を閉めても空間の連続性を損なわないようにした。
寝室側から見ると、左に1階の和室リビング。
「ここでは当然緑道とどう向き合うかがポイントでした。緑道に対して開け放つのは簡単ですが、家として包み込むように守ってくれることも大切ですのでそのバランスが取れるように計画しました。」と岸本和彦さん
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