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19 2月, 2016

松島潤平による会場構成 シャルル・フレジェ展「YÔKAÏNOSHIMA」

2月19日より銀座メゾンエルメス フォーラムで開催の、フランスの写真家であるシャルル・フレジェの展覧会「YÔKAÏNOSHIMA」のレセプションに行ってきました。会場構成を松島潤平が担当した。
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YÔKAÏNOSHIMA by Charles Fréger, Ginza Maison HERMÈS Le Forum]

フレジェは、世界各地の装束をシリーズで撮影し、それぞれの土地に潜む驚くべき多様な人間の営みを、人類学的、民俗学的にも興味深いポートレートとして収め続けている。

“Babugeri” Bansko(Blugaria), WILDER MANN series, 2010-2011 ©Charles Fréger
WILDER MANN seriesではヨーロッパ各地の伝統的な祝祭の儀式に登場する「獣人(ワイルドマン)」の姿を収めている。熊や山羊、悪魔や擬人的なキャラクターに仮装した、奇抜で恐ろしくも滑稽なワイルドマンたちは、自然と人間の営みから生まれた原始の物語をよみがえらる。

“Namahage" Ashizawa, Oga , Akita prefecture (Japan), YÔKAÏNOSHIMA series, 2013-2015 ©Charles Fréger
ヨーロッパ全土に残る冬の祝祭には、日本の歳神の文化とも共通点が見られることから、フレジェは日本を訪れて新たな展開を試みまた。
日本列島58ヶ所の取材から成り立つ本シリーズは、「YÔKAÏNOSHIMA」と名づけられ、田畑や山々、森林、海辺から現れた、日本固有の仮面神や鬼たちの姿を紹介するもの。日本人の恐怖や畏怖を象徴しながらも、私たちの生活の傍らに潜み、時に親しみを感じさせる存在である妖怪。そのルーツともいえる神や鬼たちの姿を、フレジェは写真に収めた。

 最初のスペースでは、起伏の多い日本のランドスケープを凝縮したような構成。
「農耕」、「島」、「海」、「洞窟」などのシーンが表現されている。

 これら妖怪が現れるのは整地されたような場所ではなく、凹凸のある荒々しい大地。それを緩衝用のスポンジで表現した。


 フラットで “綺麗に” 展示されることが多いフレジェの作品を、思い切って前後上下に抑揚をつけて展示した。



会場は2m程の高低差で実際に勾配がついている。山の中で妖怪に出会う趣向だ。


 コリドールの展示スペースを抜け、「Winter」セクションでは日本の歳神が並ぶ。
冬は夜が長く寒く厳しい季節、そのような時期春を待ちわびるように、我々日本人は様々な神や鬼たちを敬い畏れてきた。

 春の訪れを知らせる大地の芽吹きや蠢きを立体的なボックスで表現した。

 松島潤平さんと、シャルル・フレジェさん。
上の神様が何となくシャルルさんに似ているのは気のせいだろうか。
初めのラフイメージをシャルルさんにお見せしたとき、大笑いして気に入っていただけました。そこで『任せる』と言っていただけたことでここまで大がかりで楽しい会場構成を実現することができました。」と松島さん

「YÔKAÏNOSHIMA」 シャルル・フレジェ展
会期:2016年2月19日 - 5月22日
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム(入場無料)

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