フェザント山中湖はログハウスデベロッパーのBESSが運営するシェア別荘地で、CLTHUTの管理を担当している。センターハウスも巨大なログハウスで、鍵の受け渡しなどの手続きはこちらで行う。中にはレストランなども併設されている。
木のいえ一番協会は、戦後の効率と利便性だけを追求した住宅の普及により、木のいえをすっかり見なくなってしまった現代を憂い、「自然材を建物の内外装にふんだんに使い、木が醸しだす情感と、年月とともに深まる味わいを楽しむ暮らしの普及を目指す。」と活動する一般社団法人だ。
そして夏の湿気や、冬の寒さも厳しいこの山中湖畔で体験宿泊を繰り返しながら、平地での住宅としてフィードバックしていく目的で建てられたのがこの実験住宅「CLTHUT」で、設計を山中祐一郎が担当した。
竣工は2018年2月。半年経った建物の体験宿泊をする機会を得られた。
仕上げも断熱も不要とされるCLTだが、外気に触れる部分には耐候性を高めるために塗装だけしてあり、さらに軒を深く出し、雨の影響も少なくした。
内装は壁天井にホワイトの拭き取り塗装で、山小屋の雰囲気に寄りすぎない「住宅」の雰囲気だ。そして玄関土間全てが木というのも贅沢だ。
内覧会で訪れた際はなかったラグ、クッション、テーブルが設えてある。
キッチンには一通り調理できるよう、IH、深底フライパン、ケトル、コーヒードリッパー+ポット、食洗用品、ボウル、ザル、菜箸、トング、包丁、まな板、ふきん、オーブン電子レンジ、冷蔵庫、分別ゴミ箱が備えてある。
消耗品はゴミ袋、ラップ、アルミホイル、ティッシュ、蜂用殺虫剤などが。
食器棚には大皿、小皿、深皿、マグカップ、グラス、各種カトラリーが4人分揃えてある。
浴室。給湯はガス。ドライヤーと宿泊人数分のフェイスタオルとバスタオル。タオルはホテルのように交換サービスがないので、連泊する場合はセンターハウス横のコインランドリーで洗濯できる。
シャンプー、リンス、ボディーソープ。シャワーの湯量は申し分ないが、シャワーカーテンがあった方が良いと感じた。
2階は寝室。どのように敷くかはお好みだが、手摺子がシンプルなので落下に注意したい。またマットレスがなかったので、堅めが苦手な場合はキャンプ用のマットを用意すると良いだろう。(ここはあくまでも宿泊施設ではないのだ)
2階には間接照明が備わる。ペンダントやスポットなどいくつかの照明で、好みに調整して楽しむことができる。
真夏の今回は用はなかったが、秋以降は薪ストーブの体験もできるだろう。ちなみにパネル型のカーボンヒーターも1台常備されている。
夕刻、デッキでは当然バーベキューだ。デッキは住宅を想定しているためか十分な照明が備わる。
地元のニジマスを食べたかったため魚屋を探して買い求めた。東京とは違い、クマゼミの鳴き声が混じる虫のねをBGMに楽しんだ。
夕食後、湖畔まで2分歩いて山中湖花火大会報湖祭を堪能。
朝、トップライトの明るさで目を覚ます。目覚めの瞬間に緑と青空が見え、鳥のさえずりが聞こえ、木に包まれた空間にいる。そんなことがこんなにも非日常なのかと実感する。夜には雲間に星も見ることができたこのトップライトは、山中さんがどうしてもとこだわった箇所だったが、正解だ。
朝食前に湖畔に出ると見事な逆さ富士も拝むことができた。
重量感と安心感のあるCLTと山中湖の自然に囲まれ、特別な3日を過ごすことができた。断熱性能をみるために、秋か冬にもう一度体験してみたい。
この実験住宅は体験宿泊が可能です。
基本的には木のいえ一番協会会員向で、施設維持協力費として1泊¥15,000(棟貸し)、最大2泊まで。
一定の条件で非会員の方でも利用できるので、協会事務局まで問い合わせてください。
この実験住宅は体験宿泊が可能です。
基本的には木のいえ一番協会会員向で、施設維持協力費として1泊¥15,000(棟貸し)、最大2泊まで。
一定の条件で非会員の方でも利用できるので、協会事務局まで問い合わせてください。
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