原田将史+谷口真依子/Niji Architects (Masafumi Harada + Maiko Tanigichi) による「鷹番の長屋」のオープンハウスに行ってきました。場所は東京・目黒区、学芸大学駅より2分程の場所。
建て替えにより敷地脇を4m接道にする必要があったため敷地が減少、そこに専用住宅は小さいので何か面白いアパートを建てようということになった。
2住戸は下層・上層で分けるのはなく、この小さなボリュームを道路寄りの東側と、敷地奥の西側で縦に割って分けた。
ファサードのガルバリウム鋼板はそのまま玄関ドアにまで張り込んだ。
玄関を入ると広めの土間に螺旋階段と、住戸を分けるS字型の界壁が現れる。
螺旋階段は支柱も、25mm厚の踏み板も無垢鉄材で剛性を出したので上り下りで足音がしない。
浴室から見る。
閉鎖的で少し薄暗い1階から2階へ上がると切妻の頂点までの吹き抜けと、トップライトが見え、一気に開放される。
ここで一度模型を見て頂くと分かりやすい。住戸は単純に真っ直ぐな壁で仕切られておらず、室内に狭い側・広い側をつくることで強制パースが生まれ広く感じられる。
(photo: Niji Architects)
南の広い側には幅一面に開口を設け、緑の借景を望むことができる。
カーブを描く界壁に落ちる影。
3階は “納戸” にして、コンパクトな梯子で上がる。
3階納戸。開放的なスペースの使い方は住み手の自由だ。
ちなみに、夏場を迎えてみて暑いようだったらエアコンが付けられるように設備の準備はされている。
3階から2階を見下ろす。
開放感を得るために吹き抜けを広くしたいが、賃貸として床面積は増やしたい、そのバランスを検討した。
そしてこの軽快感を出すためには木造ではなく鉄骨造を選んだ。鉄骨はほとんど100×100のH鋼が使われている。
もう一方の住戸へ移動してみると、逆に2階へは間接光、3階へは直射日光が入る。
そのため界壁には異なる陰影が現れる。
室内には版画がいくつか展示されている。谷口さんの友人である版画家、菅祐子さんによる小さな個展を同時開催。
3階。
左から原田将史さん、谷口真依子さん、菅祐子さん(版画家)。
「密集した近隣と小さな建築面積なので、住戸を上下に分けてしまうと上下でかなり住環境に差が出来てしまいます。そこで縦に分けることでほぼ同じ環境になり、家賃もほぼ同じにできます。」「小さな居室は吹き抜けや開口を利用し、界壁にも変化をもたせることで狭さを出来るだけ感じさせない工夫をしました。」「また今回版画を展示したのは、住空間にもっと版画や絵画などのアートを、インテリアとしてもっと積極的に使ってみてはという提案です。」
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