「UIA2011 TOKYO」(UIA2011東京大会:第24回世界建築会議) 2日目、様々な展示の他に表彰式、講演会、成果発表会、シンポジウムなどが行われています。SANAAによる特別講演と、アルヴァロ・シザがUIAゴールドメダルを受賞した表彰式の様子をレポート。
[Awards Ceremony: UIA Gold Medal/Alvaro Siza] & [Special Guest Lecture/SANAA] Report
SANAA特別講演のテーマは「環境と建築」。妹島和世さん(Kazuyo Sejima/右)と西沢立衛さん(Ryue Nishizawa/左)。
「建築をつくると言うことは、環境をつくると言うこと」建築が周辺環境とどのような関わりを持ちながら設計を進めたかを近作を例にしながら解説。写真は2012年12月に竣工予定のルーヴル美術館別館「ルーヴル・ランス」
「ルーヴル・ランス」はパリに様々な機能が集中しているのを避け、こういった美術館の別館を地方に設けるなどして、地方も活性化させようという政策によるもの。
お二人が全くかぶることなく、小気味よく話されてるのが印象的でした。
本日 (9/27) 最後のイベントは表彰式。
壇上右側が各賞の受賞者。
坂茂さん (Shigeru Ban/中央) も受賞者です。
【オーギュスト・ペレ賞:建築技術の応用】 受賞の坂さん。講評:「坂茂は、建築技術の可能性を駆使し、裕福層のためだけでなく、災害救援のために紙管と膜を使った避難所の創造的探究をしていることで国際的な敬意を得ている。そしてその創造を機能や美観を妥協することなく行っている。」
そして【UIAゴールドメダル】 。過去9人の受賞者のうち日本人は槇文彦さん (Fumihiko Maki) と、安藤忠雄さん (Tadao Ando)。
UIA会長ルイーズ・コックス (Louise Cox) よりメダルを授与されるアルヴァロ・シザ (Alvaro Siza) 。
講評:「アルヴァロ・シザの作品はどんなカテゴリーにも属さない。彼の作品と認識はできるが、それぞれの建物は異なっている。彼の建物を同じように複製することはできないが常に若い建築家の模範になるといえよう。彼の活動は流行に左右されることなく、1975年以降の「建築家」として職責に立ち向かう不断の挑戦をしながら21世紀へ続いている。」
「私の建築は異端として評価されないこともありました。しかし私の建築を理解し愛してくれる方々に支えられ今日を迎えることが出来ました。」とシザ。
表彰式の後少し休憩し、シザによる講演がありました。 「講演の前にお話しておきたいことがあります。先の大地震で甚大な被害を受けた日本をとても心配しました。来日し日本の皆さんが力を合わせ前向きに進んでいく姿みて感動し本当に敬意を表します。一刻も早く復興できることを心より願っております。」
スペイン屈指の世界遺産、アルハンブラ宮殿 (Alhambra) の新レセプション施設の設計について非常に丁寧に説明。
滅多にコンペに参加しないシザですが、2011年2月に勝利しこのプロジェクトを獲得。
アルヴァロ・シザ。日本唯一の作品「二期倶楽部・荒崎プロジェクト」の完成が待ち遠しいです。
ルイーズ・コックス。「お腹空いた〜!早くご飯食べたいわ」と笑顔で仰っていました。
こちらは【日本の匠たち展】。昼間ロビーギャラリーで行われていたひとコマ。日本の伝統的な木造技術や文化を紹介するパネル・動画の展示。パネル前では職人技が披露されており、沢山の人が足を止めていました。台鉋による究極の薄削り実演。透けるほど薄い削り華に歓声が上がっていました。
大鋸による鋸挽き体験。浮世絵で見たことあります。
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