4月4日より開業するオーク表参道。その角にオープンするCOACHの新たな旗艦店「コーチ表参道」を取材。設計は重松象平さん率いるOMAニューヨーク・オフィス (Shohei Shigematsu / OMA New York) が手掛けた。
オーク表参道はハナエ・モリビルの跡地で、建築設計は大林組、旧ビルを手掛けた丹下都市建築設計はファサードデザインを担当、旧ビルの面影が残る。
半透明のガラスキューブをヘリンボーン状に組み合わせたファサードが特徴的。
「伊東豊雄事務所でインターンをしたことがあり、その伊東さん設計のTOD'Sの横に並ぶことができ光栄です。」と重松さん。
昼は反射してけやきが映りこむ。夜はランタンのように光る。
表参道はブランドショップが軒を連ねているが、外観は建築家が手掛けても中は別のデザイナーが担当するケースが多い。今回はファサード以外にインテリアである階段周りも手掛けることができたので、ファサード、棚、ディスプレーを一体化させる狙いでキューブを210個積み上げデザインした。キューブに商品を置けるようにしフロアの自由度をアップさせた。
店内中央の階段は、発光するディスプレーユニットFloating Towerが囲んでいる。
階段と一緒に浮いたように見えるディスプレー。
2階へ。1階の天井高は4.6m。そこからさらに上の2階までエレベーター無しで行けるようにするための工夫も見られる。
階段を上る間もマネキンや商品棚が見える。ショッピングの高揚感が途切れず "階段を上っている時も階段を意識させない"という仕掛け。
Floating Towerの裏側。階段はスラブから切り離されているのが分かる。
階段室にももっと棚を設けたかったが構造に及んでしまうので叶わなかった。
2階メンズフロア。
階段周りの棚に合わせ壁面の棚もデザインを踏襲している。
光るディスプレーユニットはアクリル製。
光る仕掛はこちら。棚の上下後端に溝が切られLEDが埋め込まれている。アクリルの厚みは約20mm。
角ではガラスキューブの複雑な納まりが見える。
ガラスキューブは実は、10個がセットになった2.4m×3.6mのユニットになっておりスチールフレームで構成されている。
「ファッションブランドと接していて感銘を受けることは "日々変化すること"。ショップはショッピングに集中できるよう内向きになりがちですが、表参道の立地をダイレクトに取り込むよう透明性を重視した。」と重松さん
COACH表参道限定、アリゲーターの本革iPadケース。他にもちろんバッグやジュエリーなどの限定品がある。
「ライブラリーがコンセプト。棚というユニットを介して整理しながら作って行くのは拡張するコーチのブランドイメージに最適でした。」
大学を出て日本で社会人をせずにオランダに渡ったという重松さん。今回初めて日本でプロジェクトを手掛けることが出来た意義はとても大きいと話す。「いつか日本で何かしたいというのはコンプレックスのように在りました。今回15年越しの夢が叶いました。今後も機会があれば日本のプロジェクトをやってみたいです。」
>>OMAニューヨークのスタジオ訪問記事もあります。
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