黒川智之建築設計事務所が手掛けた東京・大田区の「大森の住宅」を見学してきました。
木造、地上3階建て、敷地面積95m2、建築面積57m2、延床面積134m2。
昔ながらの町工場エリアに建つ、工場付住宅の建て替えプロジェクトだ。1階はバネ工場、2、3階はオーナー住居という構成。
三方が住宅に密集して囲まれているエリア。
エントランスの引戸を開けると半屋外の階段室が現れる。左側の扉からは工場へアクセス。階段をあがって住居へ。
階段室を見上げるとぽっかりと空いた傘の開口部から空が見える。
階段をあがるとアプローチの奥が玄関。右の手摺壁は高めで隣家と視線が合わないように配慮した。このアプローチを半屋外的な空間にすることで部屋の拡張性を高めている。
住居の玄関。右側手前から、水回り、キッチン、リビングダイニングと続く。
リビングダイニング。天井高は2.3mと低めに見えるが、
片側が3階までの吹抜けで、一気に5mまでの高さが現れる。ハイサイドライトは3階のバルコニーに面しており、その上からはルーバーを設えたトップライトが見える。
2階バルコニー。バルコニーを通じて2階と3階を縦方向に連続させるアイディアは、北千束の集合住宅でも見られた。
傘がつくりだす軒下空間。
3階へ
階段を上がりきった廊下は予備スペースとして機能する。
手前は子供室、奥に主寝室。
主寝室。折戸の開口は吹抜けに連続する。
バルコニー
傘は家を守りながら、街の風景をさまざまに切り取る。
3階バルコニーからの階段室見下ろし。
一旦外へ出て工場へ。
工場奥から。搬入出のしやすさを考慮し、照明は天井に埋め込まれている。
黒川智之さん。
「施主はこの地域で長い間工場を営んでいます。時の流れと共に、住宅と工場が混在する地域の在り方も変わった今、住宅密集地に建つ工場付住宅はどのようにあるべきかを考えました。住宅密集地に見られるテラス形式の住宅に傘を被せることで、傘の中で工場と住宅が分断されることなく繫がり、立体的なひとつの屋外空間の中で共存できるような計画にしました。」
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