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24 1月, 2010

谷尻誠さんの「小平の家」

Suppose Design Officeを率いる谷尻誠さんの住宅「小平の家」のオープンハウスに行ってきました。東京小平市の一橋学園駅より10分ほどの住宅街。周囲の住宅とは明らかに異なる外観が遠くからも目に入りました。

家を半分ほども覆うタープが特徴的。「キャンプでタープやテントを張ると外なのに中、中なのに外のようなとても開放的な空間ができる。そんな屋内と屋外の境目がないような家がコンセプトです。」と谷尻さん。

北東側からはほとんどタープに覆われているように見えます。

東側から。

訪れる人たちが玄関からだけでなくごく自然にタープの中へ入り込み、中と外が容易に繋がる風景が生まれます。

玄関を入ると1Fフロアは全てコンクリートで、シンプルな階段が設置されています。壁は合板に素材感のある白ペイント。

入って右にはバスルーム。

左はダイニングとキッチン。その奥がリビングになります。

リビングは50〜60cmほど掘り下げられています。これは地盤の弱さに対応したため。しかし目線が下がり地面が近づくことで、さらに外と中の境目を曖昧にする効果が生まれています。

リビングから外を見ると正にタープの中にいるようです。木造ですがこの開口部の柱2本には無垢のスチールを使い、細く目立たなくしてあります。むき出しの土は今後芝生や植栽で仕上げるそうです。

来客がある度に外と中がつながります。

トップライト。

2Fへ上がります。

1F同様一つの空間になっており、2箇所の吹き抜けにより3つのエリアに分けられ、寝室や子供部屋が仕切られているようで仕切られていない感じを演出。床は檜。

2Fの奥から。

2Fの窓は1Fとは異なりとても小さく、採光はほとんどトップライトがまかないます。

吹き抜けからリビングを見下ろす。

2Fの窓から見たタープの内側。

天窓は南北で角度を変えて開いています。(特別に屋上に上がらせていただきました)

タープの接続部。

建物は上から見ると少し角度の付いた平行四辺形になっています。施主からの「バルコニーと自転車置き場は目立たなくしたい。自転車置き場に屋根が欲しい。」とのリクエストから生まれたアイデアだそうです。

構造を担当したオーノJAPAN大野博史さん。「この住宅には壁や柱が少ないのでタープを支えるための構造に工夫が必要でした。」「今回のタープは便宜上"タープ"と呼んでいるだけです。そういった、業界的にもまだ名付けられていないような今までにない役に立つ建築の部位を提案したいよね、といつも谷尻さんと話しています。」

タープの強力なテンションを支持するため、外構に沿って「T」字を逆さにしたような形のコンクリートのアンカーが埋め込まれています。

谷尻誠さんお気に入りの場所で。「外は大抵外構ばかりであまり設計されないですが、そこをきちんとやってみたかった。生活が屋内だけでなく屋外も積極的に使われる状況ができればいいなと思って設計しました。」

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