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建物の外観。ブロック積みの建築です。見えている箇所はリニューアルされた部分です。二年半に渡り改築が行われ、2004年に再オープンしました。カフェテリアが新設され、身障者の方でも鑑賞しやすくなりました。教育センターも新設部分に含まれています。
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エントランスを入ってすぐの空間は、内とも外ともつかない場所でした。その中に、イサムノグチ(1904-1988)の彫刻が配置されています。
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冬の寒さと夏の暑さに、どのように鑑賞してもらうのかが、設計のひとつのポイントだったようです。
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レンガ造りの建物は、既存の工場をベースに13のギャラリーを整備し、1985年にオープンしました。イサム・ノグチとショージ・サダオ(Fuller & Sadao Architects)によって建築計画が行われました。その後も数回に渡り、建物に手が入れられているそうです。
古い建物と、新しくリニューアルされた建物を繋ぐようにして、庭があります。イサム・ノグチの石の彫刻が、庭を通り過ぎてゆく人を静観しています。平日の朝一番でしたが、天気に誘われてか、複数のカップルや家族の姿が見受けられました。
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こちらは、古い方の建物に設置された彫刻。そのままレンガ現しの白塗装となっています。素朴な素材と空間のなかで、ノグチの彫刻が映えます。
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外を出ずに、旧館と新館をぐるりと回遊できるようになっています。こちらは、新しい展示室です。リノベーションはニューヨークアーキテクツのメンバーでもある、Sage and Coombe Architectsが担当しました。美術館によると、ショージ・サダオ(Todd Williams-Billie Tsien Architects)も継続的に計画に関わったようです。
日本人の居住者や観光客の姿もありました。ノグチのおかれた立場がまさに、アメリカ人と日本人の間でしたから、美術館が両者を繋ぐコミュニティースペースのような役割を担うようになっても、不思議ではありません。
増改築を重ねた建物が、多岐にわたる作品群をおおらかに覆っていました。マンハッタンからは少し離れていますが、ぜひ足を運んでいただきたい場所です。
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