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25 11月, 2010

シーラカンスK&Hの「HHH」、藤村龍至キュレーションの「シーラカンスK&Hの履歴 1998-2010」展

シーラカンスK&Hによるオフィス・SOHO型賃貸住宅の複合ビル「HHH(エイチ・エイチ・エイチ)」の完成・事務所移転、それに合わせた東洋大学工藤和美研究室+藤村龍至研究室キュレーションによる「シーラカンスK&Hの履歴 The Resume of Coelacanth K&H 1998-2010」展を見学してきました。場所は井の頭線永福町駅より4分ほどの住宅地。


建築面積約99m2、RC造地上3階、地下1階。上の2階3階が賃貸住宅、1階と地下1階がシーラカンスK&Hのオフィス。

"全面が亜鉛メッキ"といった印象の北側。「HHH」とはH型の構造が3つ重なっていることと、K&H共同代表の堀場弘さんの名前からきている。しかし自社ビルということではなく堀場さんの個人名義の建物とのこと。

旧オフィスから7〜8分の距離の移転。

オフィスはまだ引越前で、各部屋ではK&Hの新旧作品模型や、スケッチなどが展示されている。

現在金沢市で建設中の「金沢西部図書館(金沢海みらい図書館)」は2011年竣工予定。

金沢西部図書館ファサードのスタディモデル。手前にあるエンジンのファンネルのように見えるものは、ファサードの穴に取り付けられるへら絞りで作られた窓枠の実物。これにより空間全体に淡い光に包まれるという。

2階。 左の壁には現スタッフ・元スタッフ合わせて37人の履歴(Resume)。入所の動機や、工藤さん・堀場さんとの初対面での印象なども書かれている。

熊本「山鹿(やまが)小学校」は3年後に完成予定。地域と密着しながら児童がのびのびと学び遊べる環境が随所に盛り込まれている。

この学校では地元山鹿の木材を多用。模型は多目的ホールで片翼のスパンが15mほどある木造の梁。


2階3A室での展示。

京都「洛陽総合高等学校」。多数のスタディモデルが並ぶ。

3B室の展示。 手前は東京「白梅学園中学・高校」

3階。一面亜鉛メッキ部材の北側階段周り。ガラス引き戸も鉄製サッシュに亜鉛メッキで非常に重厚だが、精度が出にくく苦労したそうだ。庇には合わせガラス、床には押出成形セメント板を使用。
奥の給湯器やメーター周りはこの後グレーチングでカバーが付く。

玄関横に付く呼び鈴ボタン。"緊急ボタン"のように見えるが、実際押すと緊急呼び出しのような音がした。

3階4B室。賃貸の4住戸は同じデザイン。SOHOとしてもそうでなくても、住人に自由にレイアウトして使ってもらえるようにトンネルのように抜けるシンプルなデザイン。照明もどこで間仕切られてもよいようにレールを3列配置。

手前は2009年福岡の「回廊のある家」。

できる限りシンプルにデザインしたというキッチン。

換気扇・照明のスイッチ。

南側には「テラスのようにした」というFRP防水の水回り。

浴室から見る。 サッシュはスプルース材。

バルコニーにはツル植物が植えてあ。外側のロープにも地面からツル植物が伸びてくる予定。

展示のない4A室。賃貸でありながら外断熱、床暖も装備。ちなみに家賃は14万円台とか。

工藤和美さんと堀場弘さん。「今年シーラカンスを皆で立ち上げてから25年、自分たちも節目の年齢になりました。オフィスもここに移転。来年金沢の図書館もできますし、更なる飛躍のきっかけにしたいですね。」と抱負を語っていただきました。


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