東京のプリズミックギャラリーで開催中の「関西若手建築家展覧会シリーズ Meets 217」は、芦澤竜一さんと平沼孝啓さんが、地元大阪で開催してきた建築レクチュアシリーズ 217[ nie - ichi - nana ]の2010年度ゲスト若手建築家5組による連続の展覧会。
最終回の第5弾は家成俊勝さん、赤代武志さん主宰のドットアーキテクツ (dot architects)による展示です。
大きな模型が展示されています。これは奈良市にある障害者向けの福祉施設「たんぽぽの家」。
「尊厳のためのデザインリサーチプロジェクト」と題されたプロジェクトで、このような施設などで従事している人、ケアを受けている人、訪れる人にとって自分らしくポジティブに生活できるために尊厳が保たれるモノや仕組みなどのデザインについて調査し、社会に提案することを目指しているとのこと。
この施設では雰囲気や空間もオープン。反面自分だけの時間や空間を確保するのが難しいそうです。
模型は既存の建物はブランクになっており、敷地全体が表現されています。地面部分は黒板のようになっておりチョークで様々なメモが記されています。
模型を見ただけではどのようなリサーチをしているのか分からないので、周囲の展示物を見てみますと、いくつかのタスクを利用しながらリサーチしたことが分かります。
「ポストのついているドア」。このドアは施設のスタッフに使ってもらい、普段オープンなワークスペースにドアがあったらどのような真理になるかを調査。
スタッフの感想メモ。
「クイックルワイパー」。これで掃除をしてもらいながら普段感じることや、エピソードをビデオ撮影しながらレポート。
その模様はモニターで見ることができます。
「メル友になりましょう」。 スタッフが休憩しているときに家成さん宛に「いつ、どこでどんな風に」休憩を取っているかをメールをしてもらいます。
「たんぽぽ学習帳」。スタッフに配られ、その日の敷地内での動線と行動を記録。
などを見てから模型にもう一度目をやりますと
人やモノの動きや、どこで休憩を取っているか、どんなところが好まれているのか、などがメモしてあるのが分かります。
有効に使われていないスペースもあるようです。
展示ではリサーチ方法や結果がより詳しくレポートされていますので会場へどうぞ。
【Meets 217-Vol.5 dot architects展「transuse」】
2011年10月4 - 11月4日
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