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04 12月, 2012

篠崎弘之による住宅「house H」

篠崎弘之建築設計事務所による千葉県松戸市の住宅「house H」の内覧会に行ってきました。

 敷地面積162m2、建築面積64m2、延床面積115m2。木造2階建て。正面は東向き。

 ホームベース型の覆いを上から被せたようなフォルム。壁面、屋根共にモルタル仕上げ。

 建物の周囲にはキャンティレバーのRC造濡れ縁。中央に見える小さな穴には物干しの支柱が刺さるそうだ。

 玄関扉を開けると広い土間と、ワンルームの空間。そしてY字の柱たち。

右に顔が見えるのが今回構造を担当した寺戸巽海さん。


 家具を担当したのは大村健太郎さん(totte)。

 土間から2階を見上げる。

 柱は通常より細めの90mm角にし、空間で主張しすぎないように。強度を得るために無垢ではなく集成材を使っている。

 中央の島はキッチン。周囲の棚にはお気に入りの食器や小物が並ぶそうだ。手前がダイニングスペース。
冷え込んだこの日は床暖のありがたさを実感。

 奥にはこのときだけダイニングテーブルが置いてあるが、実際にはリビングスペースになる。玄関扉と対になるような扉は裏口。

 振り返ると見たこともないような住宅の内観。2階のフロアはY字柱に引っ掛かるように "取り付けられている"。

 キッチンのタイルはお施主さんが見つけてきたもの。 

 2階へ。 

 リビングスペースの上はフリースペースに。トイレとその上はロフト。奥は納戸。(ロフトの板は張ったばかりとのことで仮止めのピンが刺さっている)

 フリースペースから。1階とは異なり2階で床にシナベニヤを貼ったのは、2階が "床" ではなく "板" に見えるように。これにより板がレイヤーのように軽快に重なって見える。

偶然各板に見学者が現れたショット。


 2階の中央には主寝室。ここは水廻り以外に唯一閉じた空間にできる。とはいえ空間の繋がりを持たせるため、背後の両脇に開けられた小窓から他の "板" や1階の気配を感じることができるし、ロフトの反対側は通じている。

 主寝室の前からフリースペース側を見る。トップライトは開閉可能。

 子供室。 

 あえて邪魔なようにした構造は子供にとって格好の遊び道具になるはずだ。

 お子さんが小さいので当分は至るところにネットが張られることになるでしょう。 


 子供部屋の反対側からは土間やキッチンが見える。前述した主寝室にある小窓が右上に見える。


篠崎弘之さん。「"構造と構成" をいつもテーマに設計をすすめます。柱の平面的な位置をまず決め、柱の交点と床の接点を様々に調整することで、2階スペースのレイアウトが自由に検討できました。隙間や重なりが沢山できたことで、のぞき込んだり身を乗り出したりしながら見え方の変化が楽しんでいただいたり、曖昧なスペースを散りばめたので家族の成長と共にこの家も成長していってもらえたらと思います。」

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