平田晃久/平田晃久建築設計事務所 (Akihisa Hirata Architecture Office) による東京・目黒区の集合住宅「kotoriku」を見学してきました。3月のオープンハウスではまだまだ完成しておらず、工事と入居のタイミングを見ながら何度か撮影に伺った。プロデュースはプリズミック。
周辺は密集した住宅地で起伏も多く、”四角い" 区画がほとんどなく上に見える電線のように道路が通っている。
そんな不規則な地にあえて「得体の知れないもの」を出現させた。ちょうど谷間の歪んだ地形にある、崩れた崖をそのまま住居にしたような、そんな雰囲気だ。
外壁は土色にしわが寄った仕上げ。どのように施工したかというと...
模型で説明。右のように角材を刻みランダムに配置する。その上に薄い鉄板を重ね、踏みつけて鉄板にしわを作る。それをコンクリート型枠の内側に張り、左のように着色したコンクリートを流し込んだ。
北側から。
建物の名前「kotoriku」は漢字で書くと「小鳥来」。小鳥が集まる森のような建築になって欲しいとオーナーが名付けた。
植栽担当は大網ガーデン。
遺跡の中に入っていくような雰囲気。
1階の模型! 不規則な街をそのまま凝縮したようだ。
2階へ。
2a。ワンフロアに5住戸あるが、"四角い" 部屋はひとつもない。
ラーチ合板の建具。土色に着色されたコンクリート。床はビンテージ風のフローリング。
2b。
2c。各洞窟は様々なバリエーションだ。
3階。さらに上は屋上へ続くが、基本オーナー用だ。
3a、オーナー住戸。手前からダイニング、左にリビング、カーテンの奥がキッチン。
右側にも部屋は続くが、撮影用に家具が寄せてある。
バルコニーには多様なの木々が植わる。
ペントハウスは書斎になっている。4面に開口があり、ぐるりと屋上と緑が眺められる。
屋上より。開けた五叉路に面した角を崩して植物を沢山植え、街に開いた。
「地形の歪みに沿って出来た街に、孔だらけで歪んだ隙間= "からまりしろ" を作り出し、洞窟や遺跡の様な複雑で、ひとつの原理では出来ていない建築です。居住者には快適で、近隣からは緑の丘ができたように感じてもらいたいですね。」と平田晃久さん。
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