塚田眞樹子/Makiko Tsukada Architectsによる練馬区の住宅兼アトリエ「すきまアトリエ」を見学してきました。(取材は昨年の竣工直後)
南側に大きく突き出した特徴的な庇に何か意味がありそうだ。
外壁はモルタルに着色し、撥水材が吹き付けられている。
手前にはしだれ桜が植わる。
右が個室で、左は納戸とトイレになる。
施主夫妻は、それぞれ画家と研究者で、互いに仕事に集中できるようなスペースと、共有できるスペースを望んだ。
ここから見えるのは、左の壁にご主人の絵を掛られるギャラリーとして大きな空間を取り、奥が寝室の箱でその上がアトリエ。右の箱が奥さまの書斎で、その上がラウンジ、さらに上がってLDK。
洗面・浴室。
寝室。クローゼットの脇には扉があるので寝室は閉じることができる。それぞれのベッドの下も収納になっている。
右奥の階段はアトリエに通じているが、常用の動線ではないので天井扉が付いている。
その他に照明はフロアアップライトや右の壁などに見えるスリット照明のほか、箱の上から天井に反射させる間接照明が備わる。
4段上がった箱はLDK。
LDK。白と黒のコントラスト。ダイニングテーブルは正面のスチール製の冷蔵庫ボックスにキャンティレバーで設えた。
右側のブラインドを開けるとバルコニーが現れ、リビングスペースと連続する。そして奥はアトリエへ通じる。
アトリエもトップライトでギャラリーと同じ採光に。
机の下を覗くと正に「すきまアトリエ」。
箱の間に生まれた隙間が表情豊かな空間を生み出している。
ラウンジへ戻り書庫からの眺め。隙間越しにアトリエが覗いている。
書庫の床は傾斜し、緩いステップを上がりながら北側の開口に面する。
上がった先はドライスペースの洗濯機置き場に通じている。
書庫を振り返ると大きな庇の意味が分かった。書庫の箱は台形の敷地の角度に合わせラッパ状に広がり、その角度は庇へと引き継がれ、敷地と路地を連続させる装置になっていた。
家と街の中間的なこのスペースで読書を楽しむことができる。
「お施主さんから頂いた要望を受けて、プライベート的な部屋を五つの箱に納め、箱の外側をパブリック的な空間になるように箱の内外を操作し、小さな敷地でありながらも多様な生活シーンと、空間に変化や広がりを作りました。」と塚田眞樹子さん。
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