浅利幸男/ラブアーキテクチャーによる「棲林居」のオープンハウスに行ってきました。場所は京王井の頭線 浜田山駅より10分ほどの住宅地。
分譲された2区画に、デベロッパーから依頼され建売りの住宅を2棟同時に設計。道路より手前がA棟と、旗竿敷地のB棟からなる。
ファサードには耐候処理された杉の角材を使用。元々は大木もある緑の多い敷地だったが全て切り倒されてしまったため、出来るだけ木を植え緑の再生を図り、その木々と馴染むようにとこのファサードに。
玄関を入ると吹き抜けになっており、玄関ホールを挟む東西に窓があるためとても明るい。左は全面収納。
外観からは気づきにくかったが、中から見ると実は縦格子に半分隠された開口が広く取ってあった。
南側のDK。下のガレージを低めに抑え、DKのボリュームを確保した。
DKから吹き抜けに掛かるブリッジを渡ってリビング。その奥は奥行き2m程のバルコニー。
バルコニー側から2階の全景。3階までの吹き抜けになっていた。
A棟は、植えられた木々が成長し、その高さを感じられるように縦長の窓を多く採用。
寝室からリビングを見下ろす。「防火基準をクリアしながら "木造の家" をできるだけ感じさせるように気(木)を遣いました」と浅利さん。
次にB棟へ。アプローチの左側がA棟の庭。右から奥にかけてがB棟の庭になる。夏椿(シャラ)、アカガシ、モミジ、シマトネリコ、コクチナシなどたくさんの木が植えられています。
引き戸を開ると中心に階段。地下に下りると水回りと寝室が一つ。
1階へ上がると、A棟より多くの木材が表に現れている。防火基準がB棟の方が緩いためだそうだ。
A棟では木々が高さで感じられるようにした開口に対して、B棟ではボリュームで感じられるように大きく広い開口に。
階段を回りながら、レベルの異なる木々を楽しむことが出来る。
こちらも2階には寝室がふたつ。斜線に沿った梁をあえて意匠にした。
外側から見る。網入りの重いペアガラスを支えるために上下の間の框には鉄骨が入っている。
「2軒同時に設計するのは面白かったです」と浅利さん。「Aに出た問題をBで吸収したり、その逆もあったりと、互いの関係を自由に設定できました。」
浅利さんお気に入りの場所で。「建売り住宅の設計は初めてでした。いくつか制約がありましたがとにかく"建売りっぽく"ならないようにしました。」「敷地を見た後、まず緑のアプローチを考え、そこから生まれる佇まいを大切に設計しました。A棟B棟に入居する方がこの緑を互いに共有して良い環境をつくっていってもらえればと思います。」
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