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21 6月, 2010

浅利幸男による2棟住宅「棲林居」

浅利幸男/ラブアーキテクチャーによる「棲林居」のオープンハウスに行ってきました。場所は京王井の頭線 浜田山駅より10分ほどの住宅地。


分譲された2区画に、デベロッパーから依頼され建売りの住宅を2棟同時に設計。道路より手前がA棟と、旗竿敷地のB棟からなる。

ファサードには耐候処理された杉の角材を使用。元々は大木もある緑の多い敷地だったが全て切り倒されてしまったため、出来るだけ木を植え緑の再生を図り、その木々と馴染むようにとこのファサードに。

まずはA棟に。

玄関を入ると吹き抜けになっており、玄関ホールを挟む東西に窓があるためとても明るい。左は全面収納。

玄関ホールから右(北側)に水回り、奥が寝室。

外観からは気づきにくかったが、中から見ると実は縦格子に半分隠された開口が広く取ってあった。

2階へ。

南側のDK。下のガレージを低めに抑え、DKのボリュームを確保した。

DKから吹き抜けに掛かるブリッジを渡ってリビング。その奥は奥行き2m程のバルコニー。

バルコニー側から2階の全景。3階までの吹き抜けになっていた。

A棟は、植えられた木々が成長し、その高さを感じられるように縦長の窓を多く採用。

3階には寝室がふたつ。

寝室からリビングを見下ろす。「防火基準をクリアしながら "木造の家" をできるだけ感じさせるように気(木)を遣いました」と浅利さん。

次にB棟へ。アプローチの左側がA棟の庭。右から奥にかけてがB棟の庭になる。夏椿(シャラ)、アカガシ、モミジ、シマトネリコ、コクチナシなどたくさんの木が植えられています。

隠れ家的和食ダイニングの趣のB棟玄関。

引き戸を開ると中心に階段。地下に下りると水回りと寝室が一つ。

水回り。

1階へ上がると、A棟より多くの木材が表に現れている。防火基準がB棟の方が緩いためだそうだ。

より "木造の家" が感じられる。

A棟では木々が高さで感じられるようにした開口に対して、B棟ではボリュームで感じられるように大きく広い開口に。

リビングの奥より。

階段を回りながら、レベルの異なる木々を楽しむことが出来る。

こちらも2階には寝室がふたつ。斜線に沿った梁をあえて意匠にした。

南に大きく緑が見える開口。

外側から見る。網入りの重いペアガラスを支えるために上下の間の框には鉄骨が入っている。

「2軒同時に設計するのは面白かったです」と浅利さん。「Aに出た問題をBで吸収したり、その逆もあったりと、互いの関係を自由に設定できました。」

浅利さんお気に入りの場所で。「建売り住宅の設計は初めてでした。いくつか制約がありましたがとにかく"建売りっぽく"ならないようにしました。」「敷地を見た後、まず緑のアプローチを考え、そこから生まれる佇まいを大切に設計しました。A棟B棟に入居する方がこの緑を互いに共有して良い環境をつくっていってもらえればと思います。」


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17 6月, 2010

橋本夕紀夫氏『空間デザイン/プロダクトデザイン塾』開講


ジャパンアーキクテクツのインテリア部門にご登録いただいている橋本夕紀夫さんが、日本住宅教室にて講座を開講なさいます。『空間デザイン塾』『プロダクトデザイン塾』の2講座ですが、同時受講も可能となります。定員がありますので、ご興味がおありの方はお早めに。

場所:東京Esta虎ノ門、東京Esta青山
定員:20名 詳細(PDF)


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14 6月, 2010

廣部剛司による住宅「Tre volte トレ・ヴォルテ」

廣部剛司建築研究所の「Tre volte トレ・ヴォルテ」オープンハウスに行って来ました。


RC造、地上2階、建坪は41坪、3連のヴォールト屋根が特徴的。この住宅を設計するにあたって設定されたテーマは「樹木をできるだけ切らない、4台のクルマを納める、そして親世帯へのアプローチを確保する」ということ。

南側から見る。奥の玄関側のビルトインガレージにはアウディ。中央にはこの家の主役になるディーノ。手前2台分のスペースに普段使いの車が納まる。


玄関を入るとこの光景。愛車ディーノが木立の下に佇む姿をイメージしたということで、丁度既存の庭の緑と中庭のアオダモに挟まれるような位置にある。

レストアに出されていたディーノは、このオープンハウスに間に合うようにと納車された。

中庭を回り込みながら左奥の「クルマリビング」へ。

「クルマリビング」。正面はAVラック。

書斎兼バーカウンターより。上に見える照明は廣部さんのオリジナルデザインでワイングラスのラックにもなる。

床レベルを下げ、アイレベルに車が納まるようにした。ガレージ内でエンジンがかけられるように排気装置も。

もうひとつのビルトインガレージにはアウディが納まる。ガラス越しに見えるLED照明の棚には施主のコレクションが並ぶ予定。

玄関右手にある階段を上がって2階へ。

2階。中庭を取り囲むように、和室、キッチン、リビングダイニング、バルコニーが配されている。

和室。

モダンにデザインされた床の間の花器の台。天板にはLED照明が仕込まれていた。

キッチン。

キッチンの裏側は水回り。奥がバスルームでさらに奥に坪庭がある。

坪庭の頭上に開けられたオーバル形の穴から光が差し込む。



LDK。

強力な方向性を持ったヴォールト天井に合わせて配置された廣部さんデザインのテーブルとライト。

外付けのサッシュ。

テラスより。

愛犬用のケージ。

子供室。

主寝室。

主寝室の窓から。

廣部剛司さん。「ヴォールト屋根がすでにそこにあって、それを家具で必要な機能を満たしていくように空間をつくっていきました。」「のんびりとした時間が流れていくような家になっていたら嬉しいです」


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